イベントレポート
「食文化」をテーマにした交流会
2019年12月7日(土)
済南ふれあいの場にて、「食文化」をテーマにした交流会が開催されました。山東師範大学の日本人教師である福ヶ迫加那博士が講演者として、日中両国の食文化の違いを紹介しました。山東青年政治学院の日本人教師である山形邦夫先生と、済南外国語学校の日本人教師である藤田雄一先生、スーダンからの留学生モハナさん、及び山東師範大学・済南大学・山東旅游職業学院などに所属する済南市の大学生約20人が参加しました。
山東師範大学の福ヶ迫先生は、学生たちに人気があります。講演の際、福ヶ迫先生は一年生を考慮し、わざわざ遅いスピードで話し、ジェスチャーなども使用しました。また、学生同士が互いに交流できる時間を設けたことで、学生たちの想像力は掻き立てられ、より面白い講演会になりました。
中国において、古くから食糧は人々の生活で何よりも大切だと思われてきました。食文化は中国の伝統文化の重要な部分だと言えます。もちろん、世界中の国々にも、皆それぞれ独特な飲食の慣習と文化が存在しています。福ヶ迫先生は、中国で暮らしている日本人と、日本で暮らしている中国人との二つの角度から、日中両国の食文化の違いを紹介しました。内容は食材に始まり、主食、調理法、味付け、メニュー、生食の食べ物、冷たい食べ物、体を冷やす食べ物、名物料理まで紹介されました。
中国の食材は多種多様です。特に果物は安くて種類も多く、福ヶ迫先生はスイカの激安ぶりにとても驚いたそうです。スイカはカットではなく玉で売るのが主流で、車のトランクに積んで売っているのをよく見かけます。日本ではスイカ一玉の値段は2000円(約120元以上)もしていて、中国の値段と比べると極めて高いと山形先生が補足しました。キュウリの食べ方については、中国では通常炒めますが、日本では通常サラダに使います。主食については、中国の北方に住んでいる人はマントウが好きで、餃子も主食の一つとされています。一方、日本では、餃子は副菜(=おかず)として扱われていて、チャーハンや麺と一緒に焼き餃子を食べることが多いです。味付けについては、中国料理は油っぽくて、唐辛子・山椒・ニンニクなどがよく使われており、味が濃いめです。それに引き換え、日本料理はあっさり味で、使う調味料の種類も少ないです。福ヶ迫先生の故郷である鹿児島県では、料理も甘い味付けのものが多く、醤油まで甘いそうです。日本人にとって生食の食べ物や冷たい食べ物を食べることはいたって普通ですが、多くの中国人は理解できません。しかし福ヶ迫先生は、中国人が冬に冷えたビールをレストランで注文しないことが理解できないそうです。日本人からすると、ビールは冷えていてこそ美味しいものなのだとか。福ヶ迫先生は、味噌汁の具を自由に考えて理想的な一杯を発表する時間を設けました。豆腐と生姜とわかめの味噌汁を考えた人もいれば、海老と白菜と人参の味噌汁を考えた人もいました。スーダンからの留学生モハナさんはジャガイモと豆腐とわかめの味噌汁を作りたいと発表しました。最後に、福ヶ迫先生がわざわざ用意してくださった日本の名物食である納豆を試食しました。日本に行かなくても本格的な日本の食べ物を食べることができたのは、大きな収穫です。
今回のイベントを通じて、参加した日本語学科の学生、日本文化に興味を持つ留学生、社会人たちは、日中両国の食文化の違いへの理解が深まっただけでなく、お互いの距離も縮まりました。参加者全員が積極的に発言し、交流を図り、とても実りあるイベントでした。
翻訳者:済南ふれあいの場スタッフ