イベントレポート
「日本における世界遺産の紹介」をテーマにした交流会
2020年6月13日(土)
2020年6月13日(土)、済南ふれあいの場はオンラインで「日本における世界遺産の紹介」をテーマにした交流会を開催しました。山東師範大学の日本人教師である石田曜博士が講演者として、日本にある世界遺産について紹介しました。山東師範大学外国語学院日本語学部副主任、済南ふれあいの場の責任者である崔穎博士と、山東師範大学に所属する学生約30人余りが今回の交流会に参加しました。
石田先生はまず日本の観光状況について紹介しました。日本の景気が良かった八十年代と九十年代期間、出国日本人数は訪日外国人数の約二倍から三倍ぐらいでした。2011年から訪日外国人数が大幅に増加し、2014年は初めて出国日本人数を上回りました。このような逆転はその時期日本が観光によってお金を稼ぐという国策とは関係あります。調査によると、2013年から2017年までの間、日本人にとって一番人気のある旅行先はアメリカです。一方、2016年の訪日外国人の数が一番多いのは中国です。訪日外国人の消費額に関しては、買い物が一位占め、その次は宿泊と飲食です。中国の大陸地区を例にすれば、訪日観光客の主な消費額はカメラや時計・服・鞄・電気製品・化粧品などに占められることが分かります。
続いて、石田先生は地図を通じて世界中の世界遺産の分布状況について紹介しました。ヨーロッパは国の数が多く、各国の面積が狭いため、世界遺産の分布は相対的に密集しています。それにひきかえ、中国やインドのような国は面積が相対的に広いので、世界遺産の分布は散見するように見えます。数について、中国は55件で世界一位を占め、日本は23件あります。そして石田先生は世界遺産の種類について簡単に説明しました。世界遺産は文化遺産と自然遺産・複合遺産の三種類あります。文化遺産は顕著な普遍的価値を有する記念物・建造物群・遺跡・文化的景観などを指し、自然遺産は顕著な普遍的価値を有する地形や地質・生態系・絶滅の恐れのある動植物の生息地などを指し、複合遺産は文化遺産と自然遺産の両方の価値を兼ね備えているものを指します。
その後石田先生は日本の世界遺産である富岡製糸場に重点を置いて紹介しました。富岡製糸場は産業遺産に分類されています。産業遺産は文化遺産の一種として、歴史的・技術的・社会的・建築学的、あるいは科学的価値のある産業文化の遺物からなると定義づけられました。近代以来日本の経済は急速に発達し、大量の資源と精力が産業の発展に入れられました。しかし近代化プロセスの加速につれて、一部の産業が相次ぎ消えて行き、その産業を支えていた建築物だけが残されて、次第に人気の観光先になったのです。富岡製糸場はその典型的な代表として挙げられます。富岡製糸場は群馬県の上州に位置し、平野地帯にあります。日本初の器械製糸工場として、1872年開業しました。富岡製糸場と絹産業遺産群は富岡市の富岡製糸場と伊勢崎市・藤岡市・下仁田駅の2市1町に点在する各養蚕に関連する史跡によって構成される文化遺産で、世界遺産に正式登録されたのは2014年です。製糸業に用いられた絹は蚕の繭から取り出したもので、その仕事に従事したのは通常女性がほとんどで、ゆえに工場で働いていた女性労働者は女工と呼ばれます。富岡製糸場で仕事した女工は良い給料がもらえるだけでなく、技術も勉強できるため、製糸業のプロでした。富岡製糸場がきれいに残された理由について、その一は1987までに操業し続き、操業停止からはそれほど時間が経っていないからです。2つ目の理由は経営権を持っていた片倉工業が念入りに保護したからです。その後、石田先生は富岡製糸場が今解決すべき課題は二つあると指摘しました。まずは観光の側面について、観光客の数は減少しています。そして地域問題について、工業産業のマニアが少ないため、富岡製糸場という点のみではなく、実際の住民の生活も考慮に入れて、多様な文化を保護して宣伝すればと石田先生が述べました。
イベント最後のディスカッションにおいて、石田先生と皆さんとは地元の有名な観光地や食べ物について話し合いました。石田先生は中国の泰山や・大明湖・徳州の鶏肉などに興味をひかれたと同時に、交流会の雰囲気も盛り上がりました。今回の日本における世界遺産に関する交流会を通じて、皆さんの日本文化に対する理解は一層深くなって、日本の風土に関する知識は増加しました。また、環境保護に対する意識も深めました。
翻訳者:徐隽