イベントレポート
王勇教授ご来訪ならびにご講演
11月28日(金)
11月28日午前、北京大学、復旦大学の特任教授、浙江工商大学の王勇教授が中山大学外国語学院の210会議室で講演しました。司会は、外国語学院の副院長兼日本語学科の主任邱雅芬教授が務めました。そして、日本語学科の佟君教授、謝崇寧準教授、徐愛紅準教授および劉文星先生、李栄先生、鄒双双先生も出席しました。
王勇教授は「無声的対話ー東亜跨語言交際之“筆談”」という題目で、いまであまりつかわれないがよく知られているコミュニケーションの手段-「筆談」について講演しました。
教授は文献資料を示しながら、まず「筆談」とは何であるか、それからかつて言語、民族、文化を超えたコミュニケーションの手段としての「筆談」の重要性を述べました。さらに、以上の点を踏まえて、「筆談」の研究資料として価値を指摘しました。
講演の最後に、王勇教授は日本語学科の学生にいかに外国語を習得すべきかについて自分なりの見地を述べました。それは、外国語を学ぶ際、母国語と母国の文化を犠牲にすべからず、むしろそれらをしっかり身に付けたうえで、はじめて高い水準の外国語を習得することができるというものでした。なぜならば、一人の人間にとって、もっとも基本的な文化基盤は母国文化であり、それが人間の思考力に繋がるもっとも重要な要素であるからです。王勇教授の学者としての深い見識、態度が見られました。
講演は熱烈な拍手の中で幕を閉じましたが、それがもたらした思考は止まることはありません。今度の講演は、真摯な研究態度を持ち、ユーモアに富んだ王勇教授に接するいい機会となったのみならず、私たちの研究視野をも広げて、学問の重要さと面白さを教えてくれるものでした。