イベントレポート
日本筑波大学 黒古一夫名誉教授ご講演
2015年4月24日(金)
4月24日午後、山東師範大学の長清湖キャンパスC458報告ホールで、日本の著名な文芸評論家で筑波大学の名誉教授でもある黒古一夫氏による講演「どのように日本近現代文学史を学ぶか」が行われました。日本語学部及び他学院、他学部の教師・学生から100名余りの学生が講演を聞きました。今回の講座は日本語学部が受け持つアジア共同体課題講座シリーンズの第七講になります。
日本筑波大学の元教授、博士指導教師、華中師範大学の特聘外籍学者である黒古一夫先生は近年来、「近代とは何か」を問う立場から、大江健三郎、三浦綾子、村上春樹などの作品を研究し、専門書31冊を出版し、各種の双書十種類余りを編集し、数多くの研究論文を執筆しました。彼は日本で極めて影響力がある文芸評論家であり現代文学研究専門家であります。
黒古一夫教授は開始して間もなく、文学は言語の芸術だと述べ、言語語句の含意と機能も紹介しました。言語は感情、思想の伝達手段として、社会を形成するとともに生み出されたものであり、歴史、文化、道徳、芸術などの方面において、掛け替えない役割を発揮すると指摘しました。次に文学の含意を詳しく説明しました。文学は時代と国境を超えたものであり、例えば、呉承恩の『西遊記』、夏目漱石の『こころ』などの文学名著は世界中に広く伝わっています。また、文学も時代と社会と深い関わりを持っています。例えば、魯迅の文学作品は当時の社会国情、革命と民主などの関係を反映し、同時に文学は娯楽性と芸術性があり、現実と虚偽を結びつけて、人々に生活の悩みを忘れさせ心身リラックスできます。
近年インターネット社会が発展するにつれて、人々は文学への注目力が弱まっていて、人間は一体どういうふうに生活すればいいかというのは熟考に値にするのであると指摘しました。最後に、黒古一夫教授は日本語学習と文学の関係も説明しました。言語は各国の歴史、文化、芸術などを反映しているものであり、日本語を学習すると同時に日本の文学と歴史などの方面の知識を勉強する必要もある。素質を総合に育成し、能力を全面に高めてはじめて、言語と文学をマスターすることができると主張しました。最後の質疑応答では、生徒達が提出した読解、創作などにおける困惑に対して、黑古一夫教授は一つ一つ生き生きと詳しく説明しました。
黒古一夫教授の講演は、内容が深く、言葉がわかりやすく、且つユーモアのセンスに富んでおり、生徒達の心にとても深い印象を与え、日本文学と文化にも認識をより一層深めました。黒古一夫教授は、我が校外国語学院、済南ふれあいの場のご招待により、『山東省と日本文学の国際学術シンポジウム及び『武装せる市街』の中訳版の初発行式』に参加しました。今回我が校を訪問するのは三回目となります。
訳:殷明艶訳