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イベントレポート

第三回日本学研究フォーラム「日本社会と戦争」

2015年8月26日(水)

広州ふれあいの場主催の第三回日本学研究フォーラム「日本社会と戦争」が、8月26日に中山大学外国語学院の315会議室にて開催されました。講演者、報告者、中山大学外国語学院日本語学科学生約50人の外、華南理工大学、華南農業大学と曁南大学からの先生と学生十数人も今回の活動に参加しました。

午前、中山大学日本語学科講師、広州ふれあいの場責任者鄒双双先生は、ふれあいの場の創設目的、今まで行ってきた活動と今回のフォーラムの目的と主旨を説明しました。そして、外国語学院の許東黎書記が開会挨拶をしました。その後、東北大学の荒武賢一郎先生と日本奈良大学の木下光生先生はおのおの「近世日本における貧困救済の史的特徴―比較史の視座から―」、「都市と村落の関係史―食糧供給と肥料問題を中心に―」というテーマで、経済と社会の視点から、江戸時代の日本農村と都市の様相を紹介しました。ユーモアに満ちた興味深い話でした。また将来研究を志望する学生たちに「研究テーマは身近にあり、まず興味から始めよう」とアドバイスしました。それから中山大学の佟君先生はフォーラムの主題「日本の社会と戦争」と関連付けながら近代日本文学作家と作品に現れた戦争観を紹介しました。

午後の研究報告は二つのセッションに分かれました。第一セッションでは、沖縄県立芸術大学の麻生伸一先生の司会で、江漢大学の梁紫蘇先生、復旦大学の奚伶先生と曁南大学の張嵐先生はそれぞれ「大実業家と近代日本の戦争―渋沢栄一の戦争認識を中心に―」、「日中戦争勃発後の日本財界」、「広州における日本人移民の生活実態と社会融合」について報告しました。主に戦争の角度から日本財政界と人口移動の状況を説明しました。

第二セッションでは、中山大学日本語学科の謝崇寧先生は司会を担当し、中山大学外国語学院博士課程宋波と中山大学南方学院の郭李飛先生は「野上弥生子と中国―1930年代の戦争認識と中国体験とめぐって―」、「遠藤周作の戦争観―「海と毒薬」を中心に」をテーマにして、作品と通して日本作家の戦争観を解読しました。最後に中山大学の鄒双双先生は、「中華民国時期における「吾輩は猫である」の翻訳」というテーマで中華民国時期の「吾輩は猫である」の訳を紹介し、戦争時代の訳者の翻訳態度を分析しました。各セッション研究報告の後、質疑応答がありました。

今回のフォーラムは報告者たちに交流の機会を提供しただけでなく、なによりも重要なのは数多くの学生に「研究とは何か」「どうやって研究をするか」「研究者はどうなるべきか」を認識し、「平和の貴重さと戦争の残酷さ」をもう一度考えてもらうことができたことです。この意味では今回のフォーラムは成功したものになりました。今後も日本学研究フォーラムを継続させていってほしいと願うばかりです。

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