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イベントレポート

講演会「アニメ化された『西遊記』から見る日中アニメ交渉史」

2016年11月2日(水)

   中山大学外国語学院並びに広州ふれあいの場の主催で、北京日本研究センター教授-秦剛先生による「アニメ化された『西遊記』から見る日中アニメ交渉史」という講演会が中山大学外国語学院にて開催されました。

   秦剛先生は、北京外国語大学日本語研究センターの教授で、同時に日本国際芥川龍之介学会中国分科会の会長でもあります。今回の講演は、「『西遊記』から見る日中アニメ交渉史」というテーマで、秦教授はアニメ化された「西遊記」を切り口に、躍動感のある映像資料を用いて、日本における「西遊記」の地位、影響と今日の発展状況を紹介しました。同時に、中国アニメーションの歴史や制作への新しい試み、努力についても述べました。

   「西遊記」は日本でも広く知られており、何度も改作されてきました。日本アニメ界の巨匠と言われる手塚治虫氏も「孫悟空」という人物像に深く引き付けられ、「ぼくの孫悟空」等のマンガを制作しています。さらに秦剛教授は、アメリカのウォルトディズニーカンパニーが技術面に関して中国と日本のアニメーション事業に与える影響についても触れました。アニメ研究は新しい学術研究分野に属し、秦剛教授は中国における宮崎駿アニメ研究の第一人者です。

   今回、彼はみんながよく知られている「孫悟空」をめぐって、改編のイメージ、特徴と当時の歴史や文化社会の背景の関係についてディスカッションし、アニメを媒体とする各国の文化交渉の歴史と相互影響を分析しました。この「針小棒大」の研究視点は、学友たちに然るべき学習態度と革新の方法を再認識させ、大いに啓発させました。

   その後の質疑応答において、「名作とは一体なにか、名作はどうやって判断するのか」という学生からの質問に対して、秦教授はユニークな回答をしました。彼は、名作は絶対的なものではなく永久的なもので、特定な歴史や社会背景において生まれたものだと指摘しました。学生達に、より直感的に理解してもらうため、彼は文化大革命後期に流行った「反四人組」の運動を例にあげて、当時は「孫悟空三打セックスデート」という映像作品が生まれたことを話しました。また、80年代の中国において、「中国の姓は社会主義か」「それとも資本主義か」という大論争があった中、『真偽の孫悟空』など大衆向きのクラシカルな作品が誕生し人気を呼びました。それゆえ、名作の判断は私たちが特定の条件に身を置くことにより、正確な結論を得ることができるということです。

   秦剛教授の生き生きとした言語、素晴らしい講演内容を通じて、我々は日中アニメ文化の魅力を一層感じ、同時に真の学問を理解しました。

翻訳:広州ふれあいの場スタッフ

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