イベントレポート
第二回「山東と日本文学国際学術シンポジウム」
2017年3月18日(土)
3月18日に、第二回「山東と日本文学国際学術シンポジウム」が、山東師範大学千仏山キャンパス図書館5階で行われました。今回のシンポジウムには、日本から二人の有名な文芸評論家であり筑波大学名誉教授の黒古一夫氏と、早稲田大学文学院教授の高橋敏夫氏が貴賓として出席しました。本学社科所高景海副所長と外国語学院党委副書記も出席し、歓迎の挨拶をした後、黒古一夫先生、高橋敏夫先生、本学日本語学科の李光貞先生が続いて挨拶をしました。今回のシンポジウムには、曲阜師範大学、中国海洋大学、山東農業大学、青島科技大学、山東政法学院、華東師範大学、日本明治大学、棗庄学院、山東青年政治学院、山東女子学院、山東師範大学など、国内外の各大学の代表者30人余りが参加しました。今回のシンポジウムは本学社科所、外国語学院、山東省日本学研究中心の主催で、中国日本語教学研究会山東分会、済南ふれあいの場の後援で行われました。山東師範大学日本語学科の教師崔穎先生が司会を担当しました。
高景海副所長は挨拶の中で、まず今回のシンポジウムに参加した各専門家とご来賓の方々に歓迎の意を表しました。同時に、山東省と日本文学の深い歴史に言及し、今回のシンポジウムに大きな期待を寄せていることを伝えました。続いて、黒古一夫先生は挨拶の中で、李光貞先生が山東省と日本文学関係という研究分野で得た成果を高く評価しました。今回のシンポジウムという場を通して、山東省と日本文学研究界の交流が更に深まることを期待すると強調しました。金鵬副書記は、外国語学院は可能な限りのサポートを以って学術交流イベントを支持しますと仰いました。その後、講演セクションに移り、まず黒古一夫先生が「『真昼の情熱』と『分隊長の手記』の戦争文学史における位置付け」というテーマで講演をしました。その後、高橋敏夫先生は「プロレタリア文学史における『武装せる市街』について」をテーマに発表しました。『武装せる市街』について深い考察を行い、小説の冒頭部分を切り口にその中の最も象徴的な意義を示し、「一輪車の歩行は個人の力が必要だが、それに対して一輪車の帆には『希望の帆』という隠喩が存在している。前世紀2、30年代当時はすでに日中両国に不平等関係に対して不満を持っている日本人もいた」という見解を述べました。李光貞先生は、「日本近代文学の中山東記憶の歴史透視」をテーマに演説しました。『武装せる市街』『台児庄』『真昼の情熱』という日本人作家によって書かれた山東省と関係のある小説3冊は、我が省の当時の歴史や地理、当時の日本が山東省に出兵した経緯や日中両国の戦況、日本帝国主義侵略の本質など、重要な歴史資料として価値があると述べました。3人の専門家の研究成果は、多くの参加者の興味を引きました。
午後の会議では、曲阜師範大学の侯冬梅先生、中国海洋大学の侯天依先生、華東師範大学の陳婷婷先生、明治大学の呉恵升先生、山東師範大学の周天宇先生が相次いで論文を発表し、各大学の代表者もそれぞれ論文を発表しました。黒古一夫先生はこれらの論文発表を聞き、それについて評論をしました。
今回のシンポジウムは、関連ある領域の研究者に交流のチャンスと発表の舞台を提供し、山東地区と日本文学研究界との交流を深めました。また、本学の山東省と日本文学研究の展開や、研究者が改めて研究課題の角度と突破口を見出すためにも大いに役立ちました。
翻訳者:王海娣