イベントレポート
和服文化に関するレクチャー及び交流会
2017年9月21日(木)
9月21日午後、山東師範大学長清湖キャンパスの報告ホールC区154教室で、和服文化に関するレクチャー及び交流会が行われました。今回のレクチャーは、日本の著名な着物スタイリストである冨田伸明氏が手掛けてくださいました。イベントには、在青島日本国領事館の紺野紗佑里副領事、外国語学院の張京国副院長、外国語学院日本語科主任の李光貞教授が出席してくださいました。他にも文学学院、外国語学院及び周辺の大学の教師や学生も積極的に参加してくださり、およそ350人もの人が集まりました。在青島日本国領事館の陳婕さんが司会と通訳を担当してくださいました。
冨田伸明氏はまずみなさんに、着物の歴史、印刷、染色の過程を簡単に紹介してくださいました。着物は古代中国から日本に初めて紹介され、その後だんだんと今の姿に発展してきました。現代の日本では、一般的に重要な行事、あるいは盛大なお祝い事の際に着物を着ることになっています。また、着物は人に豪華さと高級感を与えます。続いて着物の試着の時間では、在席している学生たちはみんなも自分自身で美しい着物を体験しようと積極的に手を挙げました。今回試着したのは浴衣一着と着物五着で、すべて冨田伸明氏がデザインし、作ったものです。
まずは浴衣です。素材は綿で、元々はパジャマと似ている服ですが、その後、今のスタイルになりました。次は振袖で、素材はシルクです。冨田伸明氏の紹介によりますと、これは日本の俳優が一番着たかったものだそうです。三着目はチョコレートの着物です。これはチョコレートの香りがする服で、日本とイタリアの国交が150周年を迎えたのを記念して作られたもので、上の花紋は本物のチョコレートで生地が染められ、当時は大変な注目を集め、100か国以上ものメディアで報道されたそうです。四着目は苺の着物で、これも日本の女優がすごく着たかったものです。五着目はNOB歌舞伎花紋和服で、有名な『勧進帳』の中の服です。ハリウッドの映画でも使われたことがあります。最後は大奥の着物で、将軍の後宮で地位の一番高い女性だけが着られるものです。その着物の大きな特徴は重量で、本物の大奥が着る着物は35キロもあるのです。この六着の着物はすべて冨田伸明氏が学生に着させてくださいました。冨田氏の熟練した動作、真剣な表情に在席しているみなさんはすごく驚いていました。
着物を着た学生は、自ら日本文化を体験し、着物の魅力を感じました。質疑応答のコーナーでは、学生からの積極的な質問に冨田氏は一生懸命答えてくださいました。冨田伸明先生の紹介によりますと、彼が中国駐福岡領事館で着物展示のイベントに参加した時、中国駐福岡総領事から漢服と着物をともに展示してはどうかというアドバイス受け、冨田伸明氏は喜んで引き受け、ずっとこのことを考えてきました。今年はちょうど日中国交正常化45周年という年なので、漢服をデザインするにあたって何か良いアイディアをもらいたいと会場にいる学生に呼びかけました。冨田伸明氏は、「優秀な文化は国境を越え、広く伝えることができます。」とおっしゃいました。最後に、外国語学院の張京国副院長は冨田伸明氏に証書を授与し、本学にいらっしゃったことに対し感謝の気持ちを表しました。
冨田伸明氏は著名な着物スタイリストというだけでなく、世界でも有名なデザイナーです。かつて2000以上の映画やテレビ作品で着物のデザインを担当したことがあり、着物を全世界に広めることに尽力しています。今回の着物についての盛大な視覚的なイベントを通して、参加者は着物の魅力を十分に感じられただけでなく、着物に関する礼儀や歴史などの知識も得ることができました。そして、学生たちは日本文化に対する認識だけでなく日中両国文化のつながりに対する理解も深めました。さらに、日中両国文化の交流と発展を深めるのに大きな役割を果たしました。
翻訳:馮銀萍