昔、ある惑星が太陽の機嫌を損ね、太陽が光を与えないことにした。この惑星の名は「黒」。その名の通り、光に包まれるのは年に一度の「光の季節」だけで、それ以外の時間は真っ暗で、この時期は「暗い日」と呼ばれる。その惑星で暮らす人々は、そんな日々に慣れている。彼らは「光の季節」にできるだけ多くの作物を懸命に育て、「暗い日」に食べるために貯蔵している。「暗い日」に,彼らはたいへん「光の季節」にあこがれている。「光の季節」の中で、彼らは相手の顔を見ることができて、相手の目つき、相手の表情など、相手のすべてを見ることができる。毎年の「光の季節」に、人々は扮装をして、自分の愛する人と手をつないできらめく光の幕の中を散歩して、愛情を込めて相手を見つめて、次の年に相手の顔を忘れないように努力して心の中で相手の姿を覚える。

しかし、太陽がその惑星に光を与えなくなったとしたら、その光はどこから来るのでしょうか?実は、太陽には「雲」という妹がいる。雲さんはとても善良だ。彼女はその惑星の人々がいつまでも暗い生活をしていることに耐えられず、雲になって惑星の上から人々を見守っていた。雲さんの法力が弱い上に能力が限られているため、彼女は一年分のエネルギーを蓄えた后、余すところなくその惑星に「光の雨」を降らすことができる。つまり雲さんが光の雨を降らせた後に光季が到来したのである。そして「光の季節」の最後の日には地球の雨と同じように本当の雨が降り、人々は雨の中で笑い騒いでいる。

一雨ごとには云の種まきで、彼女は大地に向かって雨滴という名の種をまいて、地面に落ちて、雨の花をはじいて、ほんの一瞬しかほころびませんが、あれは本当の花である。やがて花は散り、水となって土に溶け込み、光のぬくもりを吸いこむと、また出て、ふかふかの雲となって、風に乗って、空いっぱいにぶら下がる。

このようにして、雲さんは毎年、天から地へ、地から天へと、その惑星のために苦労を厭わず、自分の体と引き換えに、温かい光を捧げている。

今年は光の季節が近づいてきて、雲さんがまた大変だろう。