中国高校生だより
【中国高校生エッセイ】部活動で学んだこと
日付:2024.06.20
第15期生Zさん
(鹿児島県留学中)
※日本語で執筆された文章です。
私は日本の高校に来て、すぐ弓道部に入りました。
中学生の時、「ツルネ」というアニメを見てから、ずっと弓道に憧れていました。そのアニメに出会ってから、自分が弓道場に立って、矢を放つ瞬間の爽やかな後ろ姿を何度も想像してみました。だから、部活を選んだ時も迷わず弓道部に入りました。
でも、現実はそんなに甘くはありませんでした。最初の三ヶ月間ほどは弓を持つことができませんでした。代わりにゴムキュウという物を使って練習をしていました。弓が使えない時期は全く「弓道」をやっている実感がありませんでした。練習が呆気なく感じ、少しイライラしてきた頃に、先生が弓を使った練習を始めさせてくれました。
弓を引く練習を始めてから、だんだんゴムキュウを使う練習の意味を理解してきました。腕に力を込めると同時に射形を作る。弓の練習が始めたばかりは、あまりこの動作が上手くできずに、悩んでいました。自分の力だけで上達させることは難しいと感じたため、部活の仲間にアドバイスを貰ました。一緒に矢取りに行ったり、道場の片付けをしたりもしました。それから、弓道は一人で取り組む武道ではないことを知りました。皆で一生懸命、練習を頑張っている弓道部の雰囲気が大好きです。
いつの間にか弓を使った練習にも少しずつ慣れてきました。しかし、的前に立って、弓を引き、矢を放つ瞬間はとても緊張してしまいます。入場する時に、頭が真っ白になってしまい、どうしても矢を的に届けることができません。何回も引いて、大勢の経験者にコツを伺っても、思った通りにいきません。自信も無くしてしまい、弓道場に入ることが怖くなってしまいました。しかし、周りにいる仲間は私が落ち込んでいることに気づき、声を掛け、「弓道は、練習すればするほど、進歩できる武道なんだよ。今も十分頑張っているから、あまり焦らなくてもいいよ。」と慰めてくれました。
そのとおり、弓道には色々な学問が含まれています。たてせんは必ず真っ直ぐになるとか、肘は崩れたら駄目だとか、まとに当てたい欲望ばかり先に立つと合わなくなってしまうとか、たくさん心がけなくてはならないことがあります。私は今も弓道をやりながら、自分の品性と人間性を磨いています。