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中国高校生だより

留学生活の必需品

日付:2025.04.08

※日本語で執筆された文章です。

「パスポート、財布、スマホ……もう一度確認して、いよいよ出発だよ!」

 去年の夏は全ての始まりだった。その時の私にとって、留学生活に必要なものは、日用品や異文化交流におけるオープンマインドしかないと思った。しかし、そうではない。ここの生活が半分過ぎた私がもし出発前に戻っていたら、きっと「責任感」と「勇気」を加えるだろう。

責任感―期待を裏切らず、初心を忘れず

 日本に来てからの生活は思った通り全部うまく行くということでもなかった。以前と全く異なる環境で、ここは全然違う生活スタイルだった。この静かな世界には、山と川以外ない。動いているものは車だけだ。最初はよく近所を散歩したが、何時間も歩いても人がおらず、たまに犬が私に吠えるだけだった。確かにある寂しさ、または楽しめることが見つからない虚しさに、私は部屋にこもってスマホばかりして、日々を送るようになった。

 そんな生活が数日続いたが、それでも気持ちは晴れなかった。

 ある日、何気なく昔の日記を開いた。その中にはワクワクしていた話やこの一年の大きな期待の言葉で満ちてる。それと今、暗い部屋でスマホをする自分と鮮明なコントラストになった。

 その日、私は深く落ち込んだ。

 「これが私の望んでいた留学生活なのか?」

 「私はなぜここに来たのか?」

 もし、出発前の自分がこの姿を見たら、きっとがっかりするだろう。自分の期待を裏切らないために、私はもう一度初心を思い出し、徳島での過ごし方を探し始めた。今思えば、これは「自分自身への責任感」だと思う。その責任感が、私を新しい世界へ踏み出させてくれた。その責任感が、私にたくさんの充実した、楽しく、豊富な収穫の瞬間を与えてくれた。

責任感―苦手だったチームワーク

 自分だけでなく、チームの一員としての責任感も大切だ。日本の学校生活ではたくさんの場面で集団行動がある。集団でうまくいくため、責任感が欠かせない。

 残念ながら、私はもともとチームワークが得意ではなかった。最初、団体行動に参加しようという気持ちは全くなくて、悩んでいた。しかし、責任感の大切さに気づいたことで、私は変わろうとした。チームの楽しさを味わうためには、まず「自分もチームの一員である」と意識し、役割を果たして、責任感を持たなければならない。

 今では、チームでの活動の楽しさを心から実感できるようになった。
ほら!これは私たちのグループが何度も試して、三ヶ月を通じてやっと観察できたダニの写真。そのダニをみつけた瞬間、みんなの大喜びした顔は忘れられない。これこそが、チームの魅力なのだろう。(学校の課題研究で、私たちのグループは「クスノキとダニ」について研究している)

勇気―未知への挑戦

 新しい環境では、これまでとは違う生活スタイルを試すことになった。私にとっては、運動の仕方も大きく変わった。バドミントン部でうまくいかず、運動部にいる自信を失った。放課後、部活の仲間たちが頑張る姿を見て、ただ羨ましく思うだけだった。

 夕暮れ、川の側に、微風が吹いてた。陸上部の生徒たちが走ってた。

 その景色に最初は驚き、次第に興味を持ち、やがて自分でもやってみたいと思うようになった。

 「でも……私は走るのが嫌いだ。」

 徳島に来たばかりの頃、人と話すたびに「私は走るのが嫌い!」と言っていた。でも、本当に嫌いなのだろうか?それは「嫌い」ではなく、「怖い」かもしれない。私は本当に「走ること」をわかっていただろうか?

 多分私はその「怖い」理由を探したいのかもしれないし、徳島の美しい景色に惹かれたのかもしれない。でも、もう一度挑戦してみることにした。こうして、私は陸上部に入った。

 この勇気ある決断は、私の留学生活の転機となった。たとえ私が最後を走っても、仲間たちは待っていてくれて、「お疲れ様」と声をかけてくれる。時には、山の中を駆け抜ける冒険ランニング。岸のアヒルに道を塞がれたこともあったっけ……。

 夕日が沈み、星が輝く空の下。かつて怖れていたものが、今では私の大切な一部になっていた。

 留学生活には、私たちは「あ、これはもうわかった」と言う態度になりやすい。しかし本当にわかった?生活の中にはいろんな未知なことが満ちている。留学生活はなおさらだ。いつでも未知なことに好奇心を込めて、未知への挑戦の勇気を出そう!

「違い」を受け入れる勇気

 異文化交流において、「君子和而不同」ということばは誰でも知っているだろう。異なる環境で育った人々が異なる価値観を持つのは当然のことだ。

 しかし、本当に自分だけが周りと違うと気づいた時、私たちは不安に襲われる。

「どうしてみんなと考えが違うのだろう? 私が間違っているの?」

 そんな時こそ、「違い」を受け入れる勇気が必要。その勇気が、自分をより自信に満ちた存在にし、冷静に物事を見つめる力を与えてくれる。より一層、違いがわかったからこそ、共感が生まれた時はもっと大切にできる。私は友達とよく人生観について話している。私たちは考え方が全く違うけれど、お互いの考えに興味がある。もしかしたらそれも一つの「共通の趣味」と言えるかもしれないね(笑)。

素直になる勇気

 一人で過ごす留学生活では、小さな不安でも大きなストレスになることもある。だから、「素直になる勇気」を持つことがとても大切だ。留学する時は間違いを犯すことは誰でもある。正直に向き合い、解決しようとする姿勢が必要だと思う。手書きのグリーティングカード、心からの一言の「ごめんなさい」……それも「勇気」の証なのだ。このような勇気を持って、周りの皆さんに素直に自分の考えを伝えて、周りの皆さんの考えも素直に理解できる。これこそ、交流の意味ではないだろうか?

 責任感を持って、勇気を出して、自分が選んだ道を最後まで歩み続けていく。それでは、一緒に頑張りましょう!

徳島県 YZさん
2025年3月

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