【中国高校生エッセイ】残り3ヶ月の心連心、見つけた将来への気づき
日付:2025.06.30
※日本語で執筆された文章です。
桜が咲き、クリークに水が戻り、真っ白だった世界はいつの間にか緑に包まれていった。もともと静かな街にも、だんだん鳥のさえずりや川の流れる音が聞こえるようになった。気温が上がるにつれて、ここでの留学生活も最後の3ヶ月を迎えた。
もし昨年9月から今までの「心連心」が“異文化の交流”だとすれば、残りの3ヶ月、あるいはこれからの長い将来の「心連心」は、それ以上に重みのあるものになるかもしれないと思う。それは、みんなからの期待、支え、と約束。それを胸に頑張っていって、現在と未来の私たちを繋ぐということだと思う。
「残りの3ヶ月に後悔を残したくないね」と、ある日友達がぽつりと言った。私も同じ気持ちだった。だから最近は、友達と一緒にケーキを作ったり、山に登ったり、阿波踊りを見に行ったりして、やりたいことを思い切り楽しんでいる。「Zちゃんとたくさんいい思い出を作りたい」って、この7ヶ月間で、喜びも、涙も、本当にたくさんの素晴らしい経験をさせてもらった。
でも、それ以上に嬉しかったのは、「Zちゃんと一緒にいて楽しかった」、「Zちゃんが徳島に来てくれてよかった」と言ってくれたことだ。そんなふうに思ってもらえたことが、信じられないくらい嬉しかったし、何よりの励ましになった。たとえ一人で日本に留学していても、私は一人ではなかった。支えてくれる人たちがいたから、常に“みんなと一緒に頑張っている”という実感を持つことができた。みんなと一緒に大会での優勝の喜びを分かち合い、実験の不順に悩みを感じ、雪道を歩き、桜を迎えた――そのすべての中に、小さくても確かな“共感”があって、気づかないうちに、私たちの心を結びつけていたように思う。それに、その中からたくさん学んだ。
近い将来、私は大学で物理と哲学を学びたいと思っている。今ここで得た「自信」や「専念する気持ち」を力にして、ただ勉強するだけでなく、「世界を知る」こと、「自分の頭で考える」ことをもっと深めていきたい。そして、将来は国や文化の違いを超えて、人と人とがわかり合える場所で、自分の力を少しでも役立てたい。そんな夢も、この徳島での生活があったからこそ、生まれたのだと思う。まだまだ未熟だけれど、それでも今の自分にできることを、心を込めて続けていきたいと思う。
ここの生活は本当に桜のようだ。美しいけれど、あっという間に散ってしまう。3ヶ月後にはどうしても別れなければならない。でも、友達と一緒に自転車で渡った帰り道、一緒に見た夕焼け、疲れて汽車の中で眠ってしまった日々、一緒に作ったバナナケーキ――そんな何気ない小さな瞬間たちが、すでに私の心の中で、無限の力となっている。
桜が散っても、また新しい緑の葉が生えてくる。今はその次の満開に向けて、静かに準備をしている季節なのだ。私の留学生活も同じ。終わりではなく、たくさんの始まりのひとつなのだと思う。
桜は次の満開を期待している。先生や友達といつかまた再会の日を期待している。日本と中国も、私たちが日中友好の架け橋に成長していくことを期待している。そして私たち自身も、この多彩で、無限の可能性に満ちた未来に大いに期待している。
徳島県 YZさん