日中の寮生活の違い
日付:2025.07.09
※日本語で執筆された文章です。
日本で寮生活を送ることになった時、最初は少し落ち込みました。というのも中国での寮生活は決して良いものではなかったからです。でも実際に入居して数日経つうちに、私は寮生活への固定観念が覆されるのを感じました。
まず一番観察しやすいのは、ここでの電化製品の使用に関するルールです。中国の学生寮ではほとんどの場合、電気製品の持ち込みが禁止されています。携帯電話やパソコンはもちろんのこと、管理の厳しい学校だとドライヤーすら使用禁止の場合もあります。一方日本の寮では、洗濯機やエアコンといった大型家電が設置され、冷蔵庫まで備え付けられていることに驚きました。週末も部活動に参加する学生や地元出身ではないため、長期滞在が必要な学生が多いことが関係していると思います。いずれにせよ、これらの充実した設備が寮生活の質を格段に向上させていることは確かです。
次に挙げるのは、寮内の空間設計と雰囲気の違いです。日本の寮に入った瞬間から気付くのは、あらゆる場所が明確に区分されていることです。玄関の靴箱だけでなく食堂のテーブルも、全てに名前が貼られています。室内ではほぼ全員が個室用カーテンを使います。個人の領域が厳密に設定されています。イヤホンは必要な物です。スマートフォンを見る間に、皆必ずイヤホンをつけます。電話をする時は、自主的に廊下へ移動します。そのため、廊下にしゃがみこんで一列に並んで電話をする人々の姿を目にすることもしばしばです。
さらに、寮室内での食事も他人への迷惑になり得ます。ある時インスタントラーメンを食べていたら、ルームメイトから「においが気になる食事は、階下の食堂で食べてください。」と遠回しに注意された経験があります。中国の寮に比べ、ここでの人間関係は特別親密ではなく、互いのプライベートスペースを尊重する余り、自ら会話を切り出すことが少ないため、室内での交流は控えめです。こうした静かな雰囲気は、日本文化特有の「適度な距離感」を体現しているのかもしれません。
最後に一番驚いたのは、寮の管理の違いです。中国の寮では、先生がすべてを管理します。朝の点呼やチェックも先生の仕事です。でも日本の寮では、学生が自分たちでたくさんのことをします。朝の放送や点呼は学生がやり、先生はリーダーを選ぶだけ。掃除も中国では部屋の中だけですが、日本ではお風呂や廊下、トイレまで全部学生が掃除します。廊下にはペットボトル、缶、ビン、段ボールを分けるためのゴミ箱が並んでいて、学生が順番にゴミを捨てます。
日本の高校の寮は、中国の大学の寮に近い感じで、自由な時間が多いです。でも中国の高校の寮は学校のルールが厳しく、例えば「勉強中の私語」や「掃除の不備」でポイントが減ると、次の日には先生に注意されます。日本の寮は、自分で生活する力を育てますが、自分でちゃんとやらないといけません。中国の寮は友達と仲良くなりやすく、勉強に集中できるけど、プレッシャーもあります。どちらも良いところと悪いところがあります。
鹿児島県 LLさん
2025年6月