- 心連心トップページ
- 日中高校生交流
- 日中高校生対話・協働プログラム
- 日中バーチャル・ビジット・プロジェクト(立命館守山高等学校・南京外国語学校)
日中高校生対話・協働プログラム
日中バーチャル・ビジット・プロジェクト
1. 実施概要
- 事業名
- 日中バーチャル・ビジット・プロジェクト
- 日本側実施学校名
- 立命館守山高等学校
- 中国側実施学校名
- 南京外国語学校
- 交流ツール
- Zoom・Padlet
- 使用言語
- 英語・日本語
立命館守山高等学校
- 参加人数
- 14名(教員3名/生徒11名)
南京外国語学校
- 参加人数
- 13名(教員1名/生徒12名)
2. 事前準備実施状況
立命館守山高等学校
- カウンターパート校との教員間実施に向けた打ち合わせ(Zoom1 回、その他メールにて複数回)、校内プラットフォーム Classi を通じての生徒への連絡および全員集合しての打ち合わせ全7回、 滋賀ツアー実施 1 回、 Padlet でのトピック2つの書き込み準備(自己紹介、文化紹介)各自、Zoom での交流会に向けての打ち合わせと準備
南京外国語学校
- 活動前に守山高校の吉本先生と交流活動の流れなどについてメールで打ち合わせを複数回行った。また、Zoomによる打ち合わせも行った。学生はPadletの使用方法を学びながら、各種交流内容の準備を積極的に進めていた。
3. 個別回の実施状況
- 実施日時
- 2021年9月17日~10月26日
- 交流内容・テーマ
- 自己紹介
日本
自己紹介に対するリアクションがなく、Padlet 上での交流 として盛り上がりにかけた。 Padlet というツールにまずは慣れる目的でもあったため、生徒に交流ツールとしての Padlet への意識付けはできた。
- 実施日時
- 2021年10月27日17時00分~18時00分(日本時間)
- 交流内容・テーマ
- 自己紹介&学校紹介
日本
ようやく初めて顔をお互いに見合ってのZoom での交流会 で、生徒たちは緊張もしていたが、フリートークでかなり盛り上がっているグループもあった。一方で他グループの声が入り込んで交流の妨げになっていたり、 wi fi 環境が芳しくなくスムーズなやり取りに困難を感じるグループもあった。顔をお互いに見せることが、より親近感や、一定の安定感を生み出す要素となるため、 wi fi 環境については改善を依頼した。
中国
- 今回の活動には、本校初の日本語専攻・英語副専攻クラスの学生が参加した。すべて英語で交流する活動は初めてということもあり、活動前はみんなやや緊張していたが、各種準備を積極的に行っていた。守山高校の吉本先生の入念な計画と、守山高校の学生たちの丁寧な司会進行のお陰で、活動はスムーズに行われた。また、各グループともチャットルームでお互いの学校生活について話し合うなど、和やかな雰囲気であった。
- 実施日時
- 2021年10月28日~11月25日
- 交流内容・テーマ
- 日中「衣食住&ポップカルチャー」
日本
なかなか書き込みは進まなかったものの、投稿され始めると予想以上に興味深い内容となった。グループ別にテーマを割り振ったことも様々な投稿がされることに繋がり、相互理解を進める上で良かったかと思う。
- 実施日時
- 2021年11月26日16時00分~17時30分(日本時間)
- 交流内容・テーマ
- すごろくde バーチャルツアー
日本
大学で実施されている交流の様子にヒントを得て、一般的な受け身のプレゼンのみではなく、相互参加型のすごろくを用いての地域紹介を初めて試みた。先方との連絡があまり頻繁に取れず、日中サイドそれぞれで多少運営方法は異なったが、生徒たちは楽しんで参加をしていたようだ。少し時間が長引いてしまい、選択肢を用意しておくなどもっと工夫ができたと感じた。一方で、事前にお互いのすごろくを交換しておけたことで、「予習」が進められたので全くわからないという問題はお互いにあまりなかったかと思う。生徒たちが答えることで、お互いに「知って くれている」という嬉しさや驚きがあった。特に中国の生徒たちは滋賀のことをとてもよく調べてくれていて、興味も持ってくれていた。事後のブレイクアウトセッションでもすごろくに関する質問が複数グループで取り上げられていた。
中国
- Padlet上で流行文化について話し合い、現代の日本の若者の流行りを学んだほか、今の中国の流行文化についても整理することができた。ツアーはすごろくと早押しクイズを組み合わせたもので、お互いの地域の風習について理解を深めることができた。
- 実施日時
- 2021年12月22日~12月24日
- 交流内容・テーマ
- 中国語講座
日本
少しでも中国語での挨拶や自己紹介等、オンラインでのセッションに活用できる中国語を学ぶことを目的として実施。生徒だけでなく保護者も巻き込んで、中国に興味のあるサークル的な位置付けでオープンに実施。「もっと中国語を学んでみたい」とこの取り組みをきっかけに感じた参加者が多く、中国への親しみを醸成する取り組みとなった。
- 実施日時
- 2021年12月23日14時~15時(日本時間)
- 交流内容・テーマ
- グループプレゼン内容の決定
日本
決める内容や役割分担をこちらでフォーマットを準備しておいたので、一定進めやすかったかと思うが、Google Driveではグループ内で原稿やスライドを共有できないことが判明した。中国の生徒とのデータ共有方法で便利なツールなどの調整や、国際交流基金との相談をしておくべきであった。
中国
- Zoomのブレイクアウトルーム機能を活用し、各グループごとに4つの論点で日中文化の相違について話し合った。双方の生徒は事前に地元の民俗紹介を準備し、国の文化に関する資料について調べた。討論会では各グループがテーマ決めと役割分担を行い、最終発表に向けてよく準備ができた
- 実施日時
- 2022年2月18日 16時~17時30分(日本時間)
- 交流内容・テーマ
- グループ協働プレゼン
日本
十分なリハーサルなどもなく、本番前の打ち合わせが唯一のリハーサルセッションとなった。非常に教員として心配だったが、生徒達はチームワークを発揮し、スライドなどもしっかりとまとめたものを各テーマについて自分達の設定したトピックで、興味深い発表を行った。
中国
- 4つのグループはそれぞれ「衣」「食」「住」「流行文化」の順に8分間の発表を行った。生徒は積極的に準備し、事前にたくさんの資料を調査し、討論が活発に行われ、どの発言も素晴らしかった。今回の文化相違に関する最終発表会を通じて、日中の学生は自身の故郷の民俗と異国文化について理解を深めることができた。
4. 実施の成果
日本
協働プレゼンテーションを他国の生徒と行うという最後の取り組みは、初めて体験する生徒がほとんどだった。先方の堪能な日本語に多いに助けていただいた部分はあるが、衣食住+若者文化というテーマから、自分達で自由にトピックを設定できたことも、生徒達の取り組みへの関わり方を高めてくれたのではないかと考えている。この取り組みを通し、生徒は自信を身につけ、またコミュニケーション力やソーシャルスキルを向上させた。生徒達はプログラム全体を通じて、中国という国に対して持っていたイメージが変わり、もっと色々なことを知りたいと感じたのと同時に、比較することでこれまで気づいてこなかった自国の文化や地域についても気づきを得ることができた。
中国
後半2回のZoom交流会で、生徒は最終発表会のテーマや役割分担についてよく議論を行った。各生徒はグループ活動を通じて、自分の考えの伝え方や、他人の意見に耳を傾けることについて学ぶことができた。個人の意見からグループの意見ができていく過程を通じ、一緒に作り上げる意義を体感できた。
日本
第1に、コロナ禍においても体験を盛り込みながら、大きな交流の枠組みを作ることができた。試行錯誤でのオンライン交流が2年間継続する中で、常にアップデートしながら実施してきているが、国際交流基金のご支援もあって、他にはない面白い交流プログラムとなったと感じている。第2に、生徒達の「世界を知りたい」という意欲を支え、かつアジアを舞台に学びのフィールドをバーチャルに広げられることができた。実際に現地に渡航することには抵抗のある生徒も、オンライン上であれば気軽に参加ができるところを切り口に、これまでの価値観、考え方に変化を起こすことができたのは、オンライン実施の大きな意義だと考える。実際にこれらの2点について、生徒からもなかなかできない体験ができたこと、そして実はよく知らない中国について本当に興味深い様々なことを教えてもらって、興味が湧いた、実際に行ってみたくなったとの声があった。
中国
今回の交流は、日本語と英語の両言語を専攻する「2言語」クラス第1期生の高校2年生が参加した。今回の交流では、生徒は最初、英語で交流に参加し、始まったばかりの時は心配していたがのちに杞憂となった。日本の同年代と楽しく交流することが生徒の学習意欲に刺激となったようだ。それと同時に、生徒は言語を学ぶことは言語自体を学ぶことではなく、文化を学ぶことも不可欠であると、以前にも増して理解した。
日本
できる限りの体験型の取り組みを取り入れたこと。「〜してみたい」という生徒の気持ちをできる限り取り入れ、生徒達が主体的に参加できるようにした。
中国
後半2回の交流では、日中混合のグループに分かれ、4つのテーマから日中の文化の相違点を話し合った。双方の生徒は地元の民俗紹介について事前に準備するだけでなく、相手の国の文化について資料を読み、「己を知り相手を知る」ことができ、相違点について話し合った。
日本
- 事前に中国についてのインプットを行い、ぜひ聞いてみたい質問を考えておく
- 交流が盛り上がる取り組みを生徒達の要望をもとに実施。
- 生徒主体にベクトルを向けられるよう取り組みはしているものの、どうしても教員主導となってしまった。生徒発信の交流にする一層の工夫を行いたい。
- これまでのワンショット型の学校訪問受け入れ交流ではできない、深い交流を実施することで、相互理解が深まったことは大きな成果だった。今後も相互訪問をせずともできる交流として継続していきたい。また、交流に協力的で相互派遣にも意欲的なカウンターパート校とご縁があれば、ぜひ学校間での教育提携を結び、長期的な交流へと繋げたい。
日本
中国
- コロナ禍で対面での交流は止まってしまったが、オンラインコミュニケーションにも独自の利点があります。空間を超え、定期的に実施できます。インターネット上の仮想ルームでは、生徒がグループに分かれて、一つのテーマについて複数回のじっくりと話し合えます。この交流方法は今後の交流でも優位点を発揮していくと思います。