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JAPAN FOUNDATION 国際交流基金[心連心]

日本と中国の若者が未来を共に創る

日中高校生対話・協働プログラム
令和3(2021)年度事業報告

日中高校生オンライン交流会

1. 実施概要

事業名
日中高校生オンライン交流会
日本側実施学校名
立命館慶祥高等学校
中国側実施学校名
長春日章学園高中(相手:立命館慶祥高等学校2年A組)及び長春外国語学校(相手:立命館慶祥高等学校2年C組)
交流ツール
Zoom
使用言語
日本語/中国語

立命館慶祥高等学校

参加人数
52名(教員1名/生徒 2年A組24名 2年C組27名)

長春日章学園高中(相手:立命館慶祥高等学校2年A組)

参加人数
47名(教員7名/生徒40名)

長春外国語学校(相手:立命館慶祥高等学校2年C組)

参加人数
37名(教員3名/生徒34名)

2. 事前準備実施状況

立命館慶祥高等学校

  • 中国側の先生とzoomで1回ずつ、接続状況の確認を含め、交流内容、グループ分け、発表順などについて打ち合わせした。

長春日章学園高中(相手:立命館慶祥高等学校2年A組)

  • Zoomによる三者ビデオ会議において、2回の交流におけるテーマや形式を決定した。

長春外国語学校(相手:立命館慶祥高等学校2年C組)

  • 立命館慶祥高等学校の先生・国際交流基金のスタッフとZoomで事前の打ち合わせを行い、実施方式や実施の流れを含め、具体的な実施案を決定した。
  • 交流テーマに関するPPT資料を学生に作成させ、確認と発表のリハーサルを行った。また、教師が交流テーマに関する指導を行った。
  • IT業者を学校に呼び、通信機器の確認・設置・調整および当日のサポートをしてもらった。

3. 個別回の実施状況

第1回目:立命館慶祥高等学校(2年A組)― 長春日章学園高中
実施日時
2021年10月13日 11時10分~12時40分(日本時間)
交流内容・テーマ
高校生活+学校紹介

日本

中国側の高校生の勉強のモチベーションの高さと日本語の上手さに驚きという声は多かった。発表内容から同じ年齢層の人がどのような高校生活を送っているのかを少し知ることができてよかった。また、向こうの司会者は漢服を着て出たことにみなは大喜びだった。私立校としての共通点もたくさんあった。

中国

  • 中日両国の高校の授業方法や管理形式には大きな差があったが、それぞれに特色があり、学生たちの視野が広がった。(長春日章)
第2回目:立命館慶祥高等学校(2年C組)― 長春外国語学校
実施日時
2021年10月15日 11時10分~12時40分(日本時間)
交流内容・テーマ
高校生活

日本

中国側の高校生の日本語のうまさと勉強意欲の高さを感心した。公立校と本校の違いは多くて、中国の高校生の生活様子をたくさん知ることができた。交流の時間は顔が互いに見えて一気に距離が縮んだ。

中国

  • 両校の学生たちが交流テーマについてグループ発表を行った。いずれのグループも、交流テーマについて事前に細かい調査と準備を行ったうえで、PowerPoint資料も作成していた。準備作業を通じて、普段の生活で当たり前だと思っていた多くの事柄について、改めて認識を深めたようである。(長春外語)
  • 日本の学生による発表の中で、日本のリアルな高校生活を知ることができた。また、日本の高校生活に関する生の情報を得たことで、日本語の学習意欲や日本を知りたいと思う気持ち、日本留学への興味も高まった。活発なコミュニケーションにより、非常の多くの収穫が得られたと思う。(長春外語)
第3回目:立命館慶祥高等学校(2年A組)― 長春日章学園高中
実施日時
2021年10月27日 11時10分~12時40分(日本時間)
交流内容・テーマ
食文化+地域紹介

日本

日本では知られていない中華料理はたくさん紹介され、勉強になった。質疑応答の時はアニメの話が一番共通だった。

中国

  • 中日両国の食文化はいずれも魅力にあふれている。学生たちは異国情緒を感じたり、現地の名物グルメについて知ったりするなど、目にも楽しいひとときであった。(長春日章)
第4回目:立命館慶祥高等学校(2年C組)― 長春外国語学校
実施日時
2021年10月29日 11時10分~12時40分(日本時間)
交流内容・テーマ
食文化

日本

皆さんの知らない中華料理が紹介され、生徒は興味津々だった。前回と同じメンバーの交流となるので、2回目はかなり互いに親しみがあり、個別の交流で盛り上がった。

中国

  • 学生たちにとって、食生活は馴染み深く、親しみやすい話題であるため、双方の学生ともに相手の食事に興味を持っていた。中日両国にはそれぞれ独自の食文化や食習慣、名物料理がある。学生たちはこのテーマに関する準備作業をする中で、母国の食文化や名物グルメなどについても学び直し、認識を新たにしていた。(長春外語)
  • グループ発表では、両国の学生がお互いの食文化や食事マナー、名物グルメについて理解を深めた。また、交流の後に日本料理について調査し、クラスで発表する学生も多く見られた。このような活動は、学生にとって大きな刺激になるだけでなく、問題意識を持って考え、主体的に学ぶことにもつながると思う。(長春外語)

4. 実施の成果

生徒にとっての意義

日本

同じ年齢層の中国の高校生の普段の生活を少しわかり、勉強のモチベーションを感じて良い刺激になった。

中国

  • 外国語は対話や交流のツールであるだけでなく、異国文化を知るための重要な手段でもある。日本語という言語を学ぶとともに、日本文化についても深く理解しなければならない。(長春日章)
  • まず、交流活動の中で、日本の学生と日本語で直接対話し、言語学習の重要性を体感することができた。普段の勉強で学んだ知識が役立ったことで、言語学習に対する意欲も高まったと思う。
    次に、発表の準備では、学生たちが自発的に学びながら、グループのメンバーと協力して作業を進めていた。自己学習やグループディスカッションを通じて、普段は気にも留めていなかった学校生活や食文化などについて意識し、母国の文化に対する理解が深まった。
    最後に、日本の学生の発表を聞く中で、その真摯で真面目な態度から学びを得ただけでなく、日本の学校生活や食文化についても詳しく知ることができた。両校の学生の間で異文化理解が進んだことで、異なる民族の文化を認め、尊重することの大切さがわかり、お互いに学び、共に向上することができたと思う。(長春外語)
学校にとっての意義

日本

高校生活と食文化に関してたくさん知ることができて、貴重な経験だった。
発表内容に関して、本校の生徒は中国語を半年しか習っておらず、発表するまでの準備は大変だった。

中国

  • 日中高校生対話・協働プログラムのオンライン交流活動に参加したことで、本校の学生に日本の高校生と交流する貴重な場を提供できたほか、教科書からは学べない生きた情報も伝えられた。(長春日章)
  • 本校にも日本人教師による授業はあるが、学生と日本人、特に同年代の日本人と直接交流する機会が非常に少ないため、今回の活動は本校にとって特に貴重な機会であった。今回の活動を学生に知らせた時も、学生たちはとても興奮した様子で、同年代の日本人と関連テーマについて交流できることを非常に楽しみにしていた。交流活動では、日本や日本文化、日本語に対する学生の興味が増し、日本語学習の意欲向上につながった。また、日本へ留学し、日本文化を肌で感じながら学ぶことで、中日両国の文化交流を促進したいと考える学生も多かった。
    今回の活動は、本校にとって貴重な経験であり、今後の参考材料にもなった。交流活動に参加した学生たちが宣伝することで、日本や日本語に興味を持ち、本校への入学を希望する学生も増えると考えられるため、本校の学生募集と学生の日本語学習の両方にメリットがあったといえる。
    今回は初めての活動開催ということもあり、学生たちは一連の細かな準備作業に取り組み、多くの知識や経験を得ていたが、代表者のみが発表を行い、残りのメンバーが発表に参加していないグループが見受けられるなど、改善が必要な点も見られた。今後も日本の学生と交流する機会が増えてほしいと思う。(長春外語)
工夫点

日本

2つのテーマに関して、どの内容を紹介するか、内容は伝わりやすいか、中国語の発音は通じるかについては工夫した。

中国

  • 司会の服装に中国の特色あふれる漢服を採用した。(長春日章)
  • 活動をスムーズに進めるため、IT業者を4回学校に呼び、校内の調査や機器のサポートをしてもらった。(長春外語)
  • 外部の専門家2名を学校に呼び、関連テーマの紹介や資料収集方法の指導をしてもらった。(長春外語)
  • スムーズに発表できるようにするため、準備完了後に発表のリハーサルを行った。(長春外語)
  • 日本語クラスの学生が所定の時間に活動に参加できるようにするため、交流活動のスケジュールに合わせて、学校側で特別に時間割を調整した。(長春外語)
改善点

中国

  • 発表における学生の日本語については、さらなる指導、向上が必要である。(長春外語)
  • フリートークの時間をあまり有効に活用できなかった。グループごとに交流すれば、より効果があったと思う。(長春外語)
  • オンライン交流では、学生一人当たりの発言の機会や時間に制限がある。一対一の対話形式を採用すれば、両校の学生が授業以外の時間においても、ネット上で交流や学習を行えると思う。(長春日章)
  • 学生が普段の生活でプライベートな交流もできると、交流活動の意義が高まると思う。(長春外語)
今後に向けて

中国

  • 中日両国の高校生の交流をきっかけに、コロナ禍が収束した後、多くの日本の高校生に中国に来ていただき、留学や短期研修を通じて、両国の若者の対話と交流を進めてほしいと思う。(長春日章)
  • 本校は多くの日本の学校と交流を持っているが、学生同士が直接交流する機会は今回が初めてであった。今回の活動で得た貴重な経験を活かし、本校の学生と日本の学校の学生との交流を引き続き拡大していきたい。(長春外語)
参加者アンケート
質問1今回の相手国高校生との交流活動を通して学んだこと、考えたことは何ですか。
  • 国も言語も違う中で生活しているけど、同じ学生だったり歳が近いから似ている部分も多く感じた。もちろん生活の違いなどはあるけど、もっとこういう共通点を感じる機会があれば偏見とかも無くなるのになって思った。(立命館慶祥高等学校)
  • 机に座ってただ授業を受けるだけでは全く将来役に立たないと感じました。今回はオンラインでしたが、このような現地の人との交流は刺激になるので、言語を学ぶ上で重要なことだと思いました。(立命館慶祥高等学校)
  • ネットでは知らないような学校の様子や中国の文化を知ることができ、異文化交流はとても大切なことなんだなと思った。これからも、異文化交流理解や異文化交流を大切にしていきたいと思った。(立命館慶祥高等学校)
  • 文化の違いは壁とも捉えられるけれど、文化が違うことを今回の交流のように自分の体験を通して知るからこそ、相手の大切にしていることや考え方を教科書で学ぶよりももっと理解できるし、中国文化の新しい発見や楽しみ方が生まれると学んだ。中国の友達たちが私たちに近い存在になろうと、流暢な日本語で発表をしてくれたのを見て、自分も中国語の勉強を頑張ろうと思った。(立命館慶祥高等学校)
  • 日本の高校生の生活様式を知って、自分の自信を高めて、日本語を勉強する興味を増しました(長春日章学園高中)
  • 中国と日本のおせち料理は少し違うことを知りました。中国では、餃子を食べます、日本では、地方や家庭によっておせち料理は違いを持っています。(長春日章学園高中)
  • 多くの日本文化の食習慣と美食の内容を学んだ、日中の祝日の習俗もよくわかった。(長春日章学園高中)
  • たくさん日本の文化や風習、そして学校生活を理解し、友人もできたので、日本語を勉強することが楽しくなった(長春外国語学校)
  • 日本の高校生と交流することは、私にとってスピーキングとリスニングを高め、大勢の人前で発表する勇気を与えてくれた。日本の生徒さんは日本文化や礼儀風習、飲食について紹介してくれたので、理解ができて興味もわいた。(長春外国語学校)
  • 交流活動を通して日本語力が上がり、日本のいろいろなことが理解でき、日本の高校生がとても優しくて温かいことを知ることができたことは、ますます日本に向かっている。(長春外国語学校)
  • 異なる国同士の文化や儀礼は平等、受容、開放的な角度で見るべきで、それぞれの文化風習慣習は尊重すべきことと思った。(長春外国語学校)
質問2日中高校生のオンライン交流プログラムに対して、要望や提案があったら教えてください。
  • 回数を増やしたり、少人数にして一人一人が発言できるような環境にすることで、より力がつくと思います。(立命館慶祥高等学校)
  • 交流相手と中国語を使ったゲームなどをしてみたいです。(立命館慶祥高等学校)
  • ZOOMでの交流のみならず、伝統料理を作ったり、少人数での会話をしたりしてみたらいいと思います。(立命館慶祥高等学校)
  • クラス単位での交流も楽しかったが、人数が合えば一対一や小グループでのZOOM交流ができればいいと思った。(立命館慶祥高等学校)
  • 個人同士の交流がしたい。(立命館慶祥高等学校)
  • このような活動を多く展開し、テーマを制限することなく、自由に発揮できることを願っています。(長春日章学園高中)
  • 主催方がもっとこのようなイベントを行いたいと思います。後、活動の時間を伸ばせばいいと思います。(長春日章学園高中)
  • できれば、別のテーマの交流を行ってほしい、異文化を体験すると同時に、もっと楽しい思い出を作られます。(長春日章学園高中)
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