心連心ウェブサイトは日本と中国の若者が
未来を共に創る架け橋となります。

JAPAN FOUNDATION 国際交流基金[心連心]

日本と中国の若者が未来を共に創る

日中高校生対話・協働プログラム
令和3(2021)年度事業報告

パンダとSDGsがつなぐ日中交流

1. 実施概要

事業名
日中高校生対話・協働プログラム
日本側実施学校名
和歌山県立橋本高等学校
中国側実施学校名
成都外国語学校
交流ツール
Zoom
使用言語
日本語/英語

2. 事前準備実施状況(回数やツール、準備内容等)

和歌山県立橋本高等学校

  • 9月27日  参加生徒へ取り組みの内容の説明とグループ分け
  • 10月7日  日中交流センター主催の「やさしい日本語講座」に参加
  • 11月13日 アドベンチャーワールド フィールドワーク

成都外国語学校

  • 電子機器4台を用意し、学生を4人ごとの4グループに分け、自己紹介の内容や中国文化に関するPowerPoint資料を準備した。

3. 個別回の実施状況

第1回目:自己紹介、学校紹介
実施日時
2021年10月11日 17時15分~17時55分 (日本時間)
交流内容・テーマ
高校生活+学校紹介

日本

第1回目の交流なので、自己紹介や学校紹介など身近なことを中心に交流を行った。グループディスカッションを進める中で、中国と日本における文化や生活習慣、高校生活などの共通点や相違点を多く知ることができた。

中国

  • コロナ禍のなか、ビデオ形式で日本の高校生と交流することについて、学生たちは非常に新鮮で楽しく感じ、交流の中で多くの貴重な知識を得ていた。また、中国文化についても簡単に紹介し、友情を伝えることができた。国際交流基金の手配と調整には非常に感謝している。
第2回目:日本と中国のパンダとSDGsについて
実施日時
2021年12月20日 17時15分~18時00分(日本時間)

日本

日本と中国のパンダについて紹介しあった。日本の生徒はフィールドワークで学んだアドベンチャーワールドのSDGsに向けての取り組みなども紹介した。またプレゼンの時に一方的な説明にならないようにクイズを取り入れたり、見やすさを考えて作成したり、コミュニケーションのためのパワーポイントの作成にも工夫が見られた。相手の生徒が、クイズに答えたり、質問や感想を言ってくれたり、相づちを打ったりしてくれたりして、反応を画面で見ることで伝わったと実感がわいたようだ。また、交流の前に、中国語の発音の学習をして、中国語で自己紹介に挑戦した。違う言語を話す楽しさを感じる生徒もいた。パンダについての話は、日中どちらの生徒も関心があり、楽しく会話することができた。

中国

  • 4グループに分かれ、グループごとに成都のパンダとパンダ基地をテーマにしたパワーポイントを作成し、和歌山の生徒に成都の野生のパンダとパンダ基地で繁殖しているパンダを見せながら、パンダの習性と繁殖過程について紹介した。和歌山の生徒も熱心に白浜のパンダ基地について、パンダ基地でパンダが幸せそうに暮らしている様子を紹介した。双方の交流はとても楽しく、和気あいあいとした雰囲気の中で、二つの地域の高校生の友情がより深まった。
第3回目:日本と中国の正月
実施日時
2022年1月19日 17時15分~18時00分(日本時間)

日本

日中の正月の習慣について、似ている点や違う点を知ることができた。似ている習慣は中国との歴史的な関係が深いということの表れである。また年越しに餃子を食べたり、花火をあげるといった習慣の違いにも興味を持った。日本では初日の出を見る習慣があるが、中国では大気汚染が原因で見られなかったり、中国には正月に花火を上げる習慣があるが、環境保全のために中止になったりなど、正月の習慣も変化しているようだ。パワーポイントを作ることで、正月についてたくさん紹介することができたようだった。短い交流時間を有意義に過ごすために、パワーポイントの準備と練習が必要だと感じたようだった。

第4回目:地元ならではの食べ物
実施日時
2022年3月22日 17時15分~18時00分(日本時間)

日本

各グループでパワーポイントを準備してプレゼンを行った。中国の生徒は四川料理や中国の朝食など、日本の生徒は柿の葉寿司やお好み焼き、たこ焼きなどの郷土料理や、おでん、そば、天ぷらなどの和食を紹介した。日本の生徒は日本とちがう中国の料理に驚いたり、興味を持ったりしたが、中国の生徒は日本語専攻だけあって、日本の料理についてはとても詳しかった。身近な話題で質問も多く、どのグループも会話の内容は充実している様子だった。また、中国の生徒の日本語能力が高く、会話がスムーズであった。食べ物の話をとして、どちらからも、次は中国、日本に行って食べてみたいという言葉が聞かれた。

中国

    16名の生徒が4グループに分かれ、オンライン交流の前に成都の有名な軽食屋やレストランに行き、料理の写真や動画を撮影してパワーポイントを作成した。双方はとても楽しく交流し、中国の料理に大変興味を持ってくれたようだった。中国の生徒は和歌山の生徒に成都に来てもらい、料理を味わってもらいたいと心から思っていたようだ。和歌山の生徒はご当地の日本式お弁当について紹介し、海産物が豊富な和歌山の料理は中国の生徒にとってとても興味を引いたようだ。

4. 実施の成果

参加生徒の声

日本

  • 普段交流することのできない中国の方たちと様々な話をすることができ、とてもいい経験になりました。友好的な方たちばかりでどの回も楽しく過ごすことができました。
  • 同じ東アジアの国でも、文化が大きく異なるということや、逆に似ている部分も多くあるということを学びました。 今回は日本語での交流だったので、日本側の私たちからするとやりやすかったですが、英語でも今回のようにスムーズに会話できるように、英語の勉強をしたいと思いました。
  • 中国

    • 日本の生徒さんは「○○は中国語で何と言いますか」とよく質問してくださり、私たち中国の生徒は日本の生徒さんから今流行している言葉について学ぶなど、相互に学びあいできました。教科書に載っていないたくさんのことを学び、日本の文化についてより深く理解し、日本語が分からないときは説明してくれるなど皆さんの親切さを感じ、日本に留学したいとより一層思いました。
    担当教員の声

    日本

    海外の生徒と交流することで、異文化理解も深まり、同時に自国の文化や習慣についても考えたり、調べたりする機会となった。生徒たちは、自ら調べて、伝えることで、主体的に学びに向かう態度や、グループ内で協力しあう態度も養うことができた。生徒たちに相手の文化を大切に思う気持ちを育むことができ、授業では教えることのできない体験を提供することができたと考える。 渡航を伴う交流ができない中でも、オンラインという形ではあるが、多くの生徒が国際交流の機会に提供できるようになった。異文化理解の推進のためにも、今後もオンライン交流をすすめていきたい。

    中国

    • 橋本高校の学生から新しい単語をたくさん教えてもらうなど、日本語会話の練習になった。
    • 日本語で中国文化を紹介し、中日間の友好の懸け橋を築いたことは、学生にとって非常に有意義であった。
    • 日本人の友人と知り合い、連絡先を交換した。あまり頻繁に連絡できないかもしれないが、プライベートでもやり取りできるようになったことで、学生同士の友情が育まれた。
    • 学生たちの多様な価値観、国際的な視野の育成に役立った。
    今後に向けて

    日本

      今回の交流の経験をもとに、異文化理解を深め、友好関係を築き、日中両国の青少年が、将来、世界の諸問題の解決や世界平和に向けて協力しあうことを期待したい。

    中国

      この活動を通じ中日両国の青少年の交流が深まりました。 中日両国の長年の友情は若い世代が継承していく必要があり、今回の活動は中日両国の青少年の相互理解をさらに深め、今後数十年、あるいは100年にわたる中日の文化交流の確固たる基礎を築いていると、学校、教師として願っています。

  • 国際交流基金 JAPAN FOUNDATION
  • アニメ・マンガの日本語
  • 日本国际交流基金会|北京日本文化センター
  • 日本国际交流基金会|北京日本文化センター[微博]Weibo