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- 観光とSDGs~日中高校生の視点から~(和歌山県立橋本高等学校・西安外国語大学附属西安外国語学校)
観光とSDGs ~日中高校生の視点から~
使用言語英語・日本語
実施形態Zoomにて計2回
- 和歌山県立橋本高等学校
- 西安外国語大学附属西安外国語学校
11名(教員2名/生徒9名)
13名(教員4名/生徒9名)
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第1回観光地の紹介
第1回目の交流の大きな目的は、①パワーポイントを使って、日本のことを相手にわかりやすく説明し、理解してもらうこと。②パワーポイントを見ながら、相手の説明を聞き、中国の文化や歴史を知ることであった。
目的①については、発表までにパワーポイントを作り、英語で原稿を考えることによって、授業とはちがう方面から、英語学習に取り組むことができた。また、日本や和歌山の観光地について調べ、日本の観光地に対する理解も深まった。
目的②については、西安の生徒のみなさんのパワーポイントは映像と文字のバランスがよく、クイズ形式や質問などを取り入れ、わかりやすくて、楽しめる内容だった。また日本語の説明も、大きくはっきりした声でとてもわかりやすかった。これらの発表の良い点は、次回のプレゼンに向けて大いに参考になった。また、日本ではなかなか知ることのできない、西安の観光地や食文化などを詳しく紹介してもらい、生徒たちは興味を持って聞くことができた。
オンライン交流は誰もが初めてで、とても緊張した様子だったが、発表後、西安の生徒の皆さんが拍手してくれたり、反応してくれて、安心したようだった。画面を通して、手を振ったり、うなずいたり、笑ったりといった反応を見れることで、リアルタイムでつながっているということが実感でき、交流が活気のあるものになった。また発表後の交流の時間では、日本のアニメや学校生活のことなどの身近な話題となり、会話も活発になった。西安の生徒のみなさんは、次から次へと質問してくれたので、その積極性を見習いたいという感想も多かった。
順調に行われた。
新型コロナの影響で日本旅行に行けない私たちのために日本の学生が「オンライン旅行」を企画し、地元の多くの観光スポットを紹介してくれるなど、いつもとは違うおもしろさがあった。
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第2回旅行プランの提案とグループディスカッション
2回目の発表は、1回目の発表の反省を踏まえて、練習時間を長くしたり、スライド作りに工夫をこらしたり、各自改善が見られた。高野山へのフィールドワークや、「観光とSDGs」の講演で学んだことをふまえて、観光がSDGsに貢献していることに着目した発表もできた。
西安の生徒のプレゼンは、西安への2泊3日の旅行プランの提案であり、食事場所やお土産の案内など、実際に旅行しているような気分になれ、プレゼンの構成力や表現力の高さを感じられた。これらの経験を通して、人に伝える時に何が重要であるかということを学んだ。
グループディスカッションについては、3つのグループに分かれて少人数で実施できたので、1人ひとりが前回よりも多く会話することができ、より充実した内容となった。わかりにくいときは、筆談やジェスチャーなどの手段で、常に積極的にコミュニケーションを取ろうとする態度が見られた。
順調に行われた。
中国の名所古跡や悠久の歴史、美味しいグルメなどを紹介した。「オンライン旅行プラン」の企画では、原稿作成、画像探し、実地取材を行った後、先生にも校正していただいた。そして、原稿読みや会話練習を続けていると、知らないうちに会話能力が向上していた。
日本の学生による発表では、日本現地の風情や地元の名所古跡をたくさん紹介してもらった。その後のフリートークでは、有名なスポーツ選手やアーティスト等の共通の話題や趣味について話したほか、簡単な中国語も教えてあげた。みな覚えるのが速くて、発音も上手だった。もちろん、ふとした瞬間に言い間違えることもあったが、笑いが起こり、和やかな雰囲気の中で交流ができた。
最後はみんな名残惜しそうにしていたが、また会って話す機会を楽しみにしながら交流を終えた。
参加生徒の感想
同世代との交流
- 人生において初めて中国の人と話をすることができた。
- 同世代の人達でも国が違えば考え方や流行っていることが全く違って、伝わらなかったり、分からない部分もあった。しかし、その分話が伝わったときはとてもうれしかったし、言葉を完璧に喋れなくても、通じることができるんだなと感じた。
- 中国の生徒さんたちと交流したことによって現地のことをたくさん知ることができた。
- この交流会で、初めて同年代の外国人と話をした。
- 初めて会う人と自由なコミュニケーションを楽しめるようになり、橋本高校の学生たちの熱意や工夫も感じるなど、日本の学生たちとの距離が縮まった。中日交流の基盤作りに向けた第一歩を踏み出せたと思う。
- 日本の高校生に対するステレオタイプのイメージが変わった。以前はもっとアニメ好きだと思っていたが、実際にはボクシングや卓球などのスポーツが好きなようだった。
- 中国の文化に対しても強い興味を示してくれて、一緒に楽しく交流することができた。
- 日本側の知ろうとする姿勢と熱意のこもった説明に、礼儀正しさと謙虚さを感じた。
交流から学んだもの
- 中国と日本の文化は全く違うもののように感じていましたが、食事やアニメなど共通する点が多く存在することを発見した。特に、観光地の中には日本の観光地と似た風情を持つものもあり、驚いた。雰囲気で文化を決めつけず、しっかりと学ぼうとすることが真の異文化理解のために大切だと思った。
- 実際に会うのではなく、オンライン上での交流であったが、中国の観光地や食事文化を知ることができた。現地に行くことは難しいが、インターネットを利用して異国と交流できるのはネット社会の強みだと思った。
- 自分たちの地元について更に知る良い機会となった。
- 中国が文化財を観光資源としてどのように活用しているのかを知ることができた。
- 主に和歌山に対する理解が深まった。泉佐野の天下茶屋、高野山千年の森、精進料理など、普段はなかなか耳にしないながらも、文化の香りが感じられる名前ばかりで、和歌山の文化に対する興味が湧いた。
- 今回の交流を通じて、文化を伝える重要性を認識した。文化を学ぶだけでなく、伝えること、そして中国文化を理解するだけでなく、日本の優れた文化から学ぶことも必要だと思った。
- 観光案内においては、伝統的な建物について知り、体験するだけでなく、現代の科学技術の進歩にも思いをはせ、理解するなど、現地の伝統文化と現在の発展状況の両方を勉強することができた。伝統文化を守り伝えていく中で、将来に目を向けることも大切だと思う。
課題と提案
- 中国の高校生のプレゼンを見て、自分のプレゼンの欠点を見出して磨きをかけることができたと思う。
- プレゼンが終わった後の交流時間を増やしてほしい。最初は緊張していて話し出しにくかったが、段々会話するにつれ話したい内容が増えてきたから。
- 相手のことについて知っておきたいので趣味等を書いたプロフィールカードがあれば欲しい。
- 日本側のPowerPoint資料に和の要素を入れてもらえるといいと思う。そして、ひらがなが振ってあればもっと良かった。
- 中国の学生が自分の思う日本を紹介したり、日本の学生が自分の思う中国を紹介したりできると良い。
- 恥ずかしいのと自信がないのとで、思い通りに話すことができず、楽しい思い出の中に少し残念さが残った。誰かとコミュニケーションを取る時は、怯えて縮こまっていてはいけないと思った。
今後に向けて
- 自分たちの全然知らない中国の見所を沢山教えてもらえて、将来絶対に行ってみたいと思った。
- 今回はオンラインという形だったけど、実際に会うことができたら、もっと楽しいだろうなと思った。
- 新型コロナが収束したら、日本に行って現地の風土や人情を感じたり、その土地ならではの景色を楽しんだりしたいと思う気持ちがさらに強くなった。
- 次回はぜひオフラインで会いたい。
先生より
今回のオンライン交流を通して、西安の歴史や文化や習慣、同年代の高校生の考え方や流行などを知ることができた。国は異なっても、興味や関心事が似ていたり、あるいは全く異なっていたり、異文化を理解することができた。また、観光地を紹介するために、日本や住んでいる地域の観光地について、詳しく調べることにより、日本のよさを改めて発見することができた。特にコロナ禍でのお互いの国の状況や考え方を意見交換し、海外の現状を自分たちの目と耳で理解できたことは、オンライン交流の最大の利点であろう。
また、コミュニケーションの道具としての言語の大切さも感じることができた。真の国際理解のためには、イメージで決めつけずに、しっかり学ぼうとすることが必要だと感じる生徒もいた。
今回、国際交流プログラムに初めて参加する生徒が多かったが、全員が今回の活動がとても有意義であると感じてくれた。また将来中国に行ってみたいと思う生徒も多かった。この交流をきっかけに、中国への興味関心が深まったことは大きな成果である。
今回の交流を通して、相手の国の歴史、文化、習慣などを知ったり、自分の国のよさを改めて発見したりすることができた。また、プレゼンでは英語で発表することにより、英語での表現力の重要性も学ぶことができた。
日本の和歌山県に関する知識が増えた。悠久の歴史、美しい自然風景、発達した旅行産業、食欲をそそるグルメなど、和歌山に関する紹介は非常に印象に残った。
日本の高校生に対する理解が深まった。日本の高校生は多彩な趣味を持ち、スポーツが大好きな生徒もいる。国籍は異なれど、子どもたちには驚くほどの共通点があると思った。また、言語も異なれど、交流に対する強い熱意と豊富な話題があったことで、学生たちも非常に有意義な交流であったと感じていた。
今回の活動は、本校の学生にとって、日本の高校生と間近で対話できる貴重な機会だった。積極的に交流に参加し、その過程を楽しんだ学生たちは、日本語学習に対する意欲とモチベーションを身につけるとともに、日本に対する理解も深めることができた。
今後に向けて
期待すること
観光とSDGs、地域活性化について、フィールドワークや講演で学んだことや、中国の発表内容と比較しながら、自分の考えをまとめることができたことは大きな成果であった。また、各取り組み後には、感想と振り返りを行い、次の取り組みにつなげるように、ポートフォリオを作成した。このポートフォリオが学習履歴として、今後の進路に生かせることを期待したい。
今回の交流活動を通して、学校生活や趣味など、同年代が興味を持つような身近なことを話すことで、国を超えての友情も生まれた。報道などのイメージで国のことを決めつけるのではなく、本当に理解するのは人と人とのコミュニケーションが大切であることを学んだと思う。
今回の交流を通して育んだ友情が、今後いろいろな場面で日中友好の架け橋となってくれることを期待する。さらには、日中両国のこどもたちが、世界平和を牽引していくことを願っている。
同年代の生徒たちとの交流は、本当に有意義なものである。今後もいろいろな企画を提供していただき、生徒たちに活動の場を与えたい。また、渡航を伴う交流が可能になれば、是非お互いの学校を訪問することが実現できればうれしい。
貴重な交流の機会を作ってくださった国際交流基金に感謝している。引き続き、日本への理解を深め、日本の学生と交流できる機会を増やしていただくとともに、本校の日本語教育の発展に向けてご支援いただければ幸い。
課 題
- 今回は期間が短く、実際の交流は2回であったが、もう少し回数を増やし、自己紹介や学校紹介などから始め、テーマに沿った発表、そして討論などと発展していくことが理想である。
課 題
- 技術的な原因と設備の問題により、交流がスムーズに行かなかった場面があったため、今後の改善点として、万全の準備が必要だと思う。