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日本の暮らしあれこれ [Vol.6]まだまだ慣れない日本のあれこれ【前編】

まだまだ慣れない日本のあれこれ【前編】

第七期生の皆さんは、昨年夏に来日し、あと1ヶ月半で帰国します。日本で長く生活した彼ら。中国の生活や考え方と異なり、戸惑いもあったと思いますが、周りの方々のサポートをいただきながら、努力してだいぶスムーズに生活できるようになりました。

それでも日本での生活、人との付き合いの中で「ここは理解できないなぁ」、「慣れないなぁ」と思うところはどんなところなのでしょうか。彼らの声を紹介します!前編は<人付き合い編>と<学校編>をお送りします。

※あくまでも生徒各自の環境に基づく個人的な意見です。

 

<人付き合い編>

 

◆曖昧なところ

「自分の気持ちをはっきり言わないのが慣れないです。いつも『いいと思うよ』と言われて、本当にそう思ってるのかなと思って、ちょっと困ります。もし本当の気持ちじゃなかったら、自分のせいだと思ってしまいます。でも、これは理解できないこともないです。相手も、私が困らないために『いいよ』と言うのです。それで人間関係が複雑だなぁと思うときもあります(笑)。今はできるだけ話だけでなく、本当の気持ちを理解するように頑張っています。でも、やっぱりはっきり言ってほしいですよ。」

日本人は「相手に不快な思いをさせない」ということを重視しますので、曖昧なところが多いですね。相手の表情や言い方をみて五感を働かせてのコミュニケーションは、外国人にとって難しいでしょうね。

 

◆遠慮

「日本人の友達と一緒に電車に乗ったとき。例えば、四人と一緒に電車にのって、席が三つしかない場合、四人全員とも座りませんでした。それはルールでもないし、マナーでもないです。このようなことは中国でほとんどないです。これは日本人の仲間の中の『有福同享 有難同当(幸せは皆で分かち合い、困難は皆で負担する)』というものかなと思います。」

確かにそういう場面をよく見ますね。みんな座りたい気持ちはあると思うのですが、譲り合っているのですね。『有福~』という精神も根付いているのかもしれません。

 

◆謙虚すぎるところ

「日本人は謙虚です。日本での生活の中で、私はこんな結論が出ました。日常生活で例えば『あっ、うまいね、すごいね』と言われた人は、だいたい『そんなことはない』とか『別にすごくない』と答えます。謙虚というより、自信がないということでしょうか。チームワークのときも、いいアイデアを持っていても、自信がなくて出さない人が多いです。これはたぶん、日本の文化と関係があるのでしょう。日本人は人の思いやりをして、迷惑をかけないように行動します。でも、チームワークの場合、輝いたアイデアを出して皆さんと検討してもいいんじゃないですか。」

国によって、「良い」とされていることが違いますね。日本では謙虚が美徳で、自慢することや強い主張は良くないという認識がいまだ強いようです。でも、今では「すごいね」と言われると、「ありがとう!」といって受けとる人も増えているんですよ。

 

◆仲良くなるスピード

「来日当初のこと。クラスメートとの関係の中で、自分は親切に笑って交流しているけど、相手は話も少ないし、相手の本当の考えはわかりませんでした。私のこと、好きか嫌いかもわかりませんでした。嫌われていたとしても、普段は笑ってしゃべったりして、嫌いな気持ちが感じられなくて、変だなと思っていました。今ではその子ともいろいろ話せるようになりました。とにかく、日本人と仲良くなるには長い時間かかるのだと思います。」

中国の方は最初から親しくしてくれるので、すぐに溶け込めて友達になれますね!日本人は恥かしがりやなのもあると思うのですが、時間をかけて少しずつ・・・仲良くなれば長続き(?!)、というタイプかもしれませんね!

◆上下関係の厳しさ

「後輩から『勝手に先輩に声をかけようと思わない』や『(寮で)同じ部屋だけど、一緒に遊びに行くのがちょっと辛い』などの話を聞きましたし、寮の新入生が先輩の前を通るとき、緊張している様子も見ました。日本の方々は礼儀正しいということはわかっていますが、そこまで先輩たちと距離があることにびっくりしました。でも、それは先輩に尊敬の気持ちを持っていて、先輩のような立派な人になれるように願っているからだということかもしれませんから、個人的にも慣れるように頑張りたいと思っています。」

学校によってや、部活の種類によって差はありますが、目上の人を敬う文化がありますね。特に中学・高校の期間は1、2歳しか離れていないのに、上下関係が厳しいような気がします。ここで敬語や礼儀を覚えるのでしょうね。

 

◆「お返し」の概念

「中国では、みんなでお菓子を食べることは多いですが、日本ではもらってもきっと何かを『お返し』します。中国では、食べたらそのまま、次に自分が何かもっているときに一緒に食べたらいいと思って、別に『返す』とは思わないです。」

日本では何かもらったら、お返しすることを強く意識しますね。日本は「借りをすぐ返す」文化で、相手と対等でいたいようです。一方、中国は、借りをとっておく、相手との間の貸し借りが人間関係をつなぐ、という感覚のようですから、違いがありますね。

◆集団行動、他人と同じ意見であること

「日本人はよく他の人と同じようにします。『集団行動』というか、集団はもちろん大切ですけど、自分の個性も大切だと思います。いつもみんな一緒なのはちょっとヘンだと思います。例えば、先生が授業中質問をして、誰も答えないこと。実は必ず誰かはわかっているけど、みんな言わないから、言う勇気がなくて、みんなと違う勇気がない、そんなことがあります。」

「友達とかクラスメイトとか、みんな一緒にしゃべる時は違う意見を言う人がいないということです。例えば、もしみんなで行きたいカラオケの場所を決めたら、誰かがその所よりもっと便利で安いところを知っていても、決して言わない。たとえ知っているところは今行くつもりのところより何倍もいい場合でも、言わない。たぶん、みんなと違う意見を提示したら、団結性を壊してしまうからかな。」

確かに、そういう場面はよくあるかもしれません。日本では、集団の和を乱すことはよくないこと、という認識がありますから、皆と違う意見を言うのには勇気がいります。「出る釘は打たれる」という国民性もあるでしょう。それでも、上記のようなことは極端な例かもしれませんね。

 

<学校編>

 

◆土足じゃない

「校舎に入る前に上履きに履き替えること。慣れたけど面倒だと思ってます。上履きに履き変えても、教室もそんなにきれいじゃない。夏はいいけど、冬はもっと寒い。」

中国の学校は土足が一般的ですからね。日本は、床に座るという文化のなごりもあり、土足のところと土足ではないところと区別していますね。教室をきれいにするのは、皆さんの心がけ次第ですね。

 

◆制服

「制服はきれいだけど、やっぱりきつくて、リラックスできません。私は男の子っぽいので、あまりスカートを穿くのが好きじゃありません。一番理解できないのは、みんな冬でもストッキングをはきません。寒い、寒いと言っても、みんな穿きません。私は10月からずっとストッキングを穿いていました、今でもたくさん注目を浴びました。」

冬でもストッキングをはかないかどうかは、学校によると思いますが・・・。中国の多くの高校はジャージのような運動服が制服ですから、ブレザーやスカートを一日中着るのは慣れないかもしれませんね。日本の女子高生は、冬でも外見はミニスカートやソックスだけを貫いている人も多いですが、実際無理している学生もいるんじゃないでしょうか。

 

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