令和元年度「心連心:中国高校生長期招へい事業」高校校長・教員訪中事業(上海・蘇州)
事業概要
日中交流センターが実施する「心連心:中国高校生長期招へい事業」では2006年の事業開始以降、毎年30名前後の中国人高校生を受け入れており、2019年度に来日した第14期生でその総数は442名となります。本事業の実施には中国人高校生を受け入れてくださる日本の高校の協力が必要不可欠です。それら受入校に対し感謝の意を表したいと中華人民共和国教育部よりお話があり、2018年度には受入校校長の訪中事業を同教育部と当センターが共催で実施しました。2019年度は対象を受入校の校長先生およびご担当の先生方に広げ、上海及び蘇州の教育現場の視察、上海総領事表敬訪問、中国教育関係者・心連心プログラム卒業生との交流を含む訪中事業を実施しました。
参加者
立命館慶祥中学校・高等学校 | 副校長 | 江川 順一 |
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立命館慶祥中学校・高等学校 | 教諭 | 松原 直紀 |
盛岡中央高等学校 | 校長 | 千葉 研二 |
東京学芸大学附属国際中等教育学校 | 教諭 | 秋森 久美子 |
光ヶ丘女子高等学校 | 教諭 | 杉浦 恵子 |
三重高等学校 | 教諭 | 秦 雅文 |
立命館宇治中学校・高等学校 | 校長 | チャールズ フォックス |
大阪府立桜塚高等学校 | 教諭 | 田上 浩 |
大阪府立三島高等学校 | 校長 | 井上 隆司 |
清風南海中学校・高等学校 | 教諭 | 米田 隆 |
広島市立舟入高等学校 | 教諭 | 桝田 千秋 |
熊本県立宇土高等学校 | 校長 | 福田 朋昭 |
神村学園高等部 | 校長 | 神村 裕之 |
神村学園高等部 | 教諭 | 内田 暁子 |
沖縄県立向陽高等学校 | 校長 | 金城 正樹 |
関東国際高等学校 | 副校長 | 黒澤 眞爾 |
熊本県立熊本高等学校 | 教諭 | 吉永 晃紀 |
※順不同・敬称略
日程
11月1日(金) | 中華人民共和国駐日本国大使館教育処にて壮行会 |
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11月2日(土) |
上海へ移動 上海市工商外国語学校訪問 在上海日本国総領事表敬訪問 歓迎会 |
11月3日(日) |
蘇州へ移動 蘇州市内視察 |
11月4日(月) |
蘇州外国語学校訪問 上海へ移動 復旦大学附属中学訪問 環球翔飛教育集団訪問 |
11月5日(火) | 帰国 |
11月1日(金)
中華人民共和国駐日本国大使館教育処にて壮行会
中国出発前夜、本訪中事業の共催団体である中華人民共和国駐日本国大使館教育部において壮行会が開かれ、胡志平公使参事官より、これまでの受入校の協力に対し、感謝の言葉が送られました。
また、「心連心:中国高校生長期招へい事業」(以下、「心連心プログラム」)の過去の参加者で、現在、日本の大学や予備校で学ぶ卒業生たちも駆けつけ、かつてお世話になった先生方と高校時代の思い出話に花を咲かせたほか、留学生活の思い出や近況、今後の抱負についてもスピーチしてくれました。
参加者の声
・胡志平公使の積極的な想いを感じ、在日留学生の活躍に感動した。
・卒業生の立派な姿を見て大変嬉しく、再会できて本当に良かった。彼女の担当や関係した先生たちに写真やスピーチを紹介したところ皆感激していた。卒業生の活躍を知ることは教師冥利に尽きる。
11月2日(土) 上海へ出発
上海市工商外国語学校訪問
外国語に加え、専門知識の習得を目的とした特色ある専門学校を訪問しました。校内の視察に加え、日本語を学ぶ学生たちがアフレコ等のパフォーマンスも披露してくれました。同校が有する海外の学生向けの様々なプログラムについての紹介もあり、活発な質疑応答があるなど、今後の交流促進に向けた有意義な情報収集・意見交換の場となりました。
在上海日本国総領事表敬訪問
磯俣総領事(大使)から先生方に向けて、日中間でバランスのとれた双方向の交流を推進するため、ぜひ修学旅行先として中国も検討してほしい、そのために上海総領事館としても協力したいといった趣旨のお話がありました。総領事公邸は中国の建築遺産にも登録されており、訪問できたことは参加者にとって大変貴重な経験となりました。
歓迎会
- 左から、郭雅菲さん(第七期生)、蒒越さん(第13期生)、
沖縄県立向陽高等学校・金城正樹校長、夏晗くん(第13期生)
本訪中事業の中国での実施団体である中国教育国際交流協会主催の歓迎会が催されました。上海市工商外国語学校や上海市甘泉外国語中学の校長・教員も参加し、日中教育関係者の良い交流の場となったほか、心連心プログラムの卒業生4名も参加してくれました。うち、2019年7月に帰国したばかりの第13期生 薛越さんはわざわざ杭州から駆けつけてくれ、受入校の校長先生と感動の再会を果たしました。
参加者の声
・総領事公邸での双方向交流のお話は大変印象的でとても参考になった。
・工商外国語学校では専門のスキルと外国語を身につけ更に国内外の大学へ進学すると伺い圧倒された。生徒の雰囲気も「がり勉」とはかけ離れており、勉強だけでなく学校生活も楽しんでいる様子が見られたのが良かった。歓迎会は他の学校から参加された先生方とも交流できたりとても楽しいひと時となった。
11月3日(日)
蘇州市内視察
虎丘、寒山寺、留園など、蘇州市内の名所旧跡を見学しました。
11月4日(月)
蘇州外国語学校訪問
心連心プログラムに第10期から合計5名の学生を派遣している蘇州外国語学校を訪問しました。ここでは中学1年生の英語の授業を見学することができ、中国の学生が学ぶ姿を実際に目にする貴重な機会となりました。
復旦大学付属中学訪問
上海市内でもトップレベルの復旦大学付属中学を訪問し、同校の特色について校長から説明を受けました。
参加者の声
・(心連心プログラムに参加するのは)優秀な留学生が多く、どのような学校から来ているのかとの関心があったので、実際に中国の教育の現場を見られたのは大変良かった。
・蘇州外国語高校での英語の授業はとても印象的でした。高校生と交流できたのがよかった。
事後アンケートより(抜粋)
・この事業に参加することで「心連心:中国高校生長期招へい事業」についての理解が、とても深まった。今回の訪問で、現地を直接、見て、感じ、交流することの大切さを再認識した。
・自分が中国のことを自分の言葉で生徒たちに率直に語ることができるのも、今回の事業に参加させていただけたからであり、とても感謝している。
・中国人留学生を長年にわたって受け入れている日本側の学校のトップや実務の責任者の先生と直接お話して交流する時間を持てた事はとても有意義だったと思う。
・初めて中国を訪問し、世界第二位の経済大国である中国の教育に対する意識の高さに驚いた。中国に留学したい生徒がいる場合の受け入れ態勢や中国語力の要否など興味を持つきっかけとなった。
・日本国内ではなかなか知り得ない生の中国を自分の目で見て確かめることができる機会は大変有意義だった。