京都アニメーションが制作したアニメ『ツルネ ―風舞高校弓道部―』は、弓道をやっている主人公たちの物語である。私は弓というものの存在は知っているが、弓道の存在は知らなかった。でも、友人に勧められて見てみたら、みんなにも勧めたいような気持ちになった。
　アニメでは、弓が放たれたときの弦の音を弦音といい、主人公の鳴宮湊がその音に惹かれて、弓道との絆が始まった。アニメは全体の話が短く、1部12話しかない。しかし画風はさわやかで落ち着きがあり、ストーリーも劇的で、キャラクターはそれぞれ自分の特徴をもっており、好きなことをする中で出会いが生まれて青春の物語が展開される。

　私の過ごした二十数年間は、好きな趣味に夢中になりやり続けることは残念ながらできなかった。物事の異なる魅力を感じるために、最初は試しで何かに没頭して楽しみを感じたが、最後はいつもあきらめてしまったのである。学業を追求する過程でも、多くのことを放棄してしまった。もし、勉強に対してもう少し努力をすることができたら、アニメの主人公のように好きなことをがんばってやり続け、友情や達成感、自己実現などといったもっと大切なものを手に入れられたかもしれない。もちろん、今から自分を変えるのも遅くはないと思う。重要なのは触発されることではなく、触発されたことで自分を変え、よりよい自分になることだ。
　皆さん、一緒によりよい自分になれるよう、努力していこう。