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参加者インタビュー

Interviewインタビュー 日中21世紀交流事業に参加された方々に交流を振り返っていただきました

目標は日本の難関大、最北のスーパーグローバル校

札幌市郊外の立命館慶祥中学校・高等学校は、心連心:中国高校生長期招へい事業が始まった初年度2006年から留学生を受け入れている。10人目の留学生は、遼寧省瀋陽市出身で、笑顔が印象的な楊晶智君だ。来日から2カ月、どんな高校生活を送っているのか取材した。

文化の違いに驚きも


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地理の授業で突然のご指名。

地理の授業。同校の制服姿もすっかり板についた楊君が「中国が急速に発展した理由」について発表していた。突然の指名にとまどいながらも、自分の国のことをしっかり日本語で伝えようとする。

中国で日本語と英語をみっちり勉強し、レベルの高い語学力を備える楊君。最初は先生やクラスメートの話すスピードについて行けなかったが、この2カ月で聞き取りもかなり上達したようだ。ただ、文化の違いは今でも驚きの連続だという。

「男言葉と女言葉があることは習っていなかったので、不思議な感じです。それに、生徒同士で『おはよう』などとあいさつすることにもびっくりしました。中国の学校では、友達になればいちいちあいさつはしません」


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留学生仲間と学食ランチ。
英語で話が弾む。

立命館慶祥高校は1996年にスタートし、今年、開校20周年を迎えた。2000年には中学校を開設して中高一貫教育を開始。ユニークな教育方針が知られるようになり、北海道全域はもちろん道外からも生徒が集まる。このため寮生活をする生徒も多い。

楊君も寮生で、昼食は学食で取る。お気に入りのメニューはラーメンだが、この日選んだのは「ザンギ(鶏のから揚げ)定食」。留学生仲間と英語での会話を楽しみながらのランチタイムだ。

「世界に通用する18歳」つくる国際教育


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大東いづみ先生の日本語の授業。
留学生は多国籍だ。

同校は開校当初から「世界に通用する18歳」を目標に掲げ、生徒の海外研修や留学生の受け入れを積極的に行っている。昨年にはこうした取り組みで文部科学省のスーパーグローバルハイスクール(SGH)に指定された。

各種の海外研修プログラムがあるほか、2年生のメーンイベントとなる海外研修ではマレーシアやガラパゴス、アメリカなどテーマ別に設定された7コースから行き先を選び、見聞を広める。また、長期留学生の受け入れは過去3年間で62人。国籍もアジアから欧米まで多彩だ。専任の日本語教員を置いているのも他校にはあまりみられない特徴で、取材の日はフランスやスイス、ポルトガルなどからの9人の留学生が日本語を学んでいた。

留学生の波及効果に期待


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札幌市郊外の広い敷地にある立命館慶祥高等学校・中学校。

数学、理科など理系科目が得意な楊君。志望校は東大や京大など日本の超難関大学だ。立命館慶祥で所属するのも難関大学を目指すSPコース(2年生)。数学など進度が速い科目も、学校や寮での熱心な自習で、すでに追いつきつつあるという。

生徒にとって留学生はどんな存在なのだろう。クラスメートの高橋賢吾君は「留学生は常にいるので違和感はない。でも、話しているときの反応など、カルチャーショックは時々ある」。戸沢友宏君は「楊君も自分もサッカーが好きなので、英国プレミアリーグの話をよくする。授業をまじめに聞いているのを見ると、やはり中国の優秀な生徒は違うなと思う。留学生がいることで価値観が広がる」と話す。


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クラスメートとはスポーツや学校生活の話で盛り上がる。
もちろん勉強の話も。

担任の久保田泰浩先生は、昨年も心連心プログラムの留学生を受け持った。何事にも積極的だった彼に比べると楊君は少し内気に見えるというが、これから真価を発揮してくれると期待している。

「楊君の長所を引き出して波及させていきたい。どんな色を出してくれるか楽しみです。クラスメートは間もなく海外研修に行きますが、海外に行けば、一人で外国に来て勉強している楊君のすごさが体感できるはず。生徒たちの良いモデルになると思います」。

文武両道の学校生活


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バスケ部の活動には毎日参加する。

楊君の出身高校は瀋陽市内でも屈指の進学校。放課後は勉強するのが当たり前という環境だ。もっとも、日本の大学を目指す生徒が多いためか、日本の学校で部活動が盛んだという話はよく知られている。楊君も今は毎日バスケットボール部で汗を流している。

「中国では勉強ばかりだったので、日本に来たら部活をしようと決めていました。日本の高校は中国より自由ですね」。

異文化に目を見張りながら、勉強にスポーツにと学校生活を満喫する楊君。この1年間に見て、聞いて、体験することのすべてが、未来の彼の財産となるのだろう。

取材/文:芳賀 恵 取材日:2015年11月4日

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