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参加者インタビュー

Interviewインタビュー 日中21世紀交流事業に参加された方々に交流を振り返っていただきました

Vol.76 心連心16期生、3か月目からのチャレンジに向けて-後編-

「心連心:中国高校生長期招へい事業」の16期生が来日して3か月あまりが過ぎた。2024年12月、3か月目研修が埼玉県の国際交流基金日本語国際センターで開催され、日本各地の高校で学ぶ16期生が集合した。この3か月、彼らは日本でどのような体験をし、どのような課題に直面したかを、個人発表とそれぞれの体験談から紹介する。

インタビュー前編はこちら

日本語能力試験JLPTで1級を取りたい ――ZRさん

河南省洛陽市出身のZRさんは埼玉県に留学中だ。学校では生物部に所属し、飼育している動物の世話をしたり、野外観察に出かけたりしているという。最初は簡単な日本語しか話せなかったものの、少しずつ上達しているのを実感しているそうだ。

日本と中国で違いを感じることは何ですか?

「中国の高校では5時半に起きてずっと勉強して夜10時半に寝ていました。とにかく勉強時間が長くて厳しいんです。それに比べて、日本の高校ではイベントや部活動が盛んで、厳しいと感じることが少ないです」。

残りの7か月の間にやりたいことは?

「留学中に日本語の試験の1級を取りたくて、勉強しています。生物と化学に昔から興味があるので、いつかこれらと日本語の知識を生かした仕事ができればいいな、と思っています」。


茶道部、マラソン、スピーチ…盛りだくさんの留学生活 ――GJさん

四川省成都市出身のGJさんは三重県津市の高校で学んでいる。参加者から「松坂牛はおいしいですか?」と聞かれたものの、「まだ食べていません」とのこと。部活動は茶道部に所属。正座にはもう慣れたそうだ。

日本に興味を持ったきっかけは何ですか?

「学校の授業で先生が日本についてたくさん説明してくれて興味を持ったのが始めだったと思います。小学校6年生ぐらいのときです。そのあとYOASOBIの歌が好きになって、日本に行ってみたいと思うようになりました」。

残る7ヶ月でやりたいことは何ですか?

「1月には茶道部のお茶会、2月には松坂市のマラソン大会、それと外国人の日本語スピーチコンテストがあります。そのあともいろいろなイベントに参加したいと思っています」。

中国の料理が恋しいけれど ――ZJさん

子どものときから日本のアニメが好きで、日本に興味を持っていたというZJさん。福建省福州市出身で、現在は長崎県の高校で学んでいる。もうすぐ寮で同室の友達の家にホームステイをする予定で、それが今からとても楽しみだと笑顔で語ってくれた。

日本語について苦労していることはありますか?

「生徒たちの間ではやっている言葉が難しいです。『めちゃ』や『超』は習っていなかったので。友達に意味を教えてもらって理解はしますが、自分で使える機会はなかなかないですね」。

日本の食生活はどうですか?

「寮の食事はおいしいのですが、ときどき中国の料理が食べたくなります。日本の中華料理は……本場のものとは全然違いますね(笑)」。

将来は弁護士になりたいそうですね。

「はい、以前はそう思っていて、今も興味はありますが、同時に、中国と日本の交流にかかわる仕事もしたいと思うようになりました」。


中国と日本の共通点と違い ――LLさん

山西省太原市出身のLLさんは鹿児島県の高校で学んでいる。霧島神宮や桜島火山、屋久島など鹿児島の名所のほかに、「うんめ」(おいしい)、「だれた」(疲れた)、「きばれ」(がんばれ)など、学びたての鹿児島方言を紹介してくれた。

中国と日本、どんなところに違いを感じますか?

「日本で短期のホームステイを経験しましたが、家族の暮らしや関係などに、中国との大きな違いは感じません。数日間だけだったので気づかなかったのかもしれませんが…… ただ、マナー、特にあいさつに関する習慣は違うと思います。あと、日本の友達は冗談を言う人が少ないですね」。

将来は外交官になるのが夢、と伺っています。

「日本に来てから外務省や大使館に行く機会があって、実は外交官のイメージが変わりました。もっとリラックスした仕事がいいな、と思うようになりました(笑)」。

学校行事が幸せな思い出に ――NZさん

福建省福州市出身のNZさんは大分県に留学中だ。歴史と自然の豊かな留学地で高校生活を満喫している様子が伝わってきた。日本でも、趣味のランニングを続けているという。個人発表では、学びたての神社の参拝の仕方を教えてくれた。「神さまにはお尻を向けてはいけません!」。

この3か月で学んだ大分方言を教えてください。

「『知っちょん』は『知っている』の意味です。あと、方言ではありませんが、若者の言葉『やばい』も覚えました」。

この3か月で一番幸せだったことは何ですか?

「学園祭と花火大会! 楽しかったです」。


【取材を終えて】
高校1、2年生の16期生にとって、住み慣れた環境や人間関係から離れて長期間過ごす経験はおそらく人生で初めてだろう。そのような心細い状況にいるにもかかわらず、皆とても前向きに留学生活を楽しんでいる様子が伝わってきた。そして受け入れ校の先生やクラスメート、寮母さんや地域の人々への感謝の気持ちを表す学生が多いことも印象的だった。早くも留学後の生活を具体的に思い描いている学生が少なくなく、この1年の経験を経て彼らが活躍するのが今から楽しみだ。


取材・文:鈴木 香織 取材日:2024年12月18日

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