Voice ~参加者の声~ 河村 舞彩さん
きっかけは趣味から ~私と日中国際交流~
名前
河村 舞彩 (かわむら まあや) さん
プロフィール
2001年生まれ、東京都出身、法政大学大学院人文科学研究科日本文学専攻 修士1年
法政大学文学部日本文学科在学時に国際交流基金大学生交流事業、ふれあいの場コーディネータープログラム、ふれあいの場サポーターの活動に参加
私が心連心の活動に参加させていただくきっかけとなったのは、大学の国際交流の窓口に置いてあった1枚のチラシでした。それは国際交流基金が実施する中国の大学生とのオンライン交流の募集で、当時はコロナ禍の真っ只中で国際交流関係の活動が全て止まっていた中でしたが、中国の学生との交流ができないかと考えていた私は「これだ!」と思いました。締め切りまでは数日しかありませんでしたが、何としても参加したいという気持ちで応募したことを覚えています。普段は行くことのない窓口に、中国語の試験の割引券がもらえると聞いて行ったその日に、あのチラシに出逢えたことで今の私があると思うと感慨深い気持ちになります。
中国の方と初めて話す時、「どうして中国語を勉強しているの?」「どうして中国のエンタメを知っているの?」とよく聞かれますが、全ての始まりは夜中に偶然見た中国ドラマでした。「仙侠」というこれまでに見たことのないジャンルのドラマで、一瞬で目を奪われるほどに美しい映像でした。題名を調べて中国ドラマだと分かった後には、出演している俳優が気になり調べるようになり、ドラマの主題歌を歌えるようになりたいと思い練習するようになり、言葉の意味を知りたいと思い中国語の教科書を買い、日本では情報が少ない中国のエンタメ情報を知るために微博を見るようになり……というように中国に対しての興味が次々に増していきました。
そして、趣味として中国の情報を調べていく中で、中国の自分と同世代の方達のことをあまりよく知らなかったことに気が付き、知りたいと思うようになりました。心連心の活動で出逢った友人たちは皆、お互いにお互いのことを知り、理解したいと考えていると感じます。細かい言葉のニュアンスを教え合ったり、日常生活の出来事を伝えあったり、ドラマや音楽などの好きなものを共有し合えることは本当に素晴らしいことです。さらに、時が経つにつれて友人の友人と友人になるということも増え、出逢いの繋がりが広がっていくことが非常に嬉しいです。
私は昨年の10月からふれあいの場サポーターとして杭州ふれあいの場(浙江工商大学)の皆さんとオンライン交流イベントを開催し、今年の3月には対面の活動として実際に中国へ行き、済南ふれあいの場(山東師範大学)の皆さんと交流をしました。
オンライン交流イベントでは、それまでに参加してきたイベントを参考にしながら、杭州ふれあいの場の皆さんと一緒に一からイベント内容を考え、開催まで行いました。活動の中では、疑問に思ったことは小さなことでも質問をし、お互いに考えを擦り合わせていくことが非常に大切だと感じました。そして、このことを丁寧に行っていくことで言葉や文化の勉強になることもたくさんありました。また、相談会やアンケートによって、ふれあいの場の皆さんや参加者の皆さんが日本のどのようなことに興味があり、どのようなことを知りたいと思っているのかなども知ることができ、貴重な経験となりました。
実際に中国現地の大学生の皆さんと活動をした済南では、教科書やインターネットでは学ぶことのできない本物の中国を五感で感じることができました。食堂の香りや商店街の雰囲気、空の高さなど何もかもが新鮮で初体験の連続でした。また、オンライン交流ではどうしてもお話できる人数が限られてしまいますが、現地の大学での交流ではふれあいの場の皆さんだけではなく、他の学生の皆さんとも交流ができました。学生の皆さんはとても温かく私たちを受け入れてくださり、校門の警備の方も笑顔で迎え入れてくださいました。心温まるおもてなしの数々を忘れることはありません。プレゼントやお土産もたくさんいただき、帰国してからスーツケースを開いた時に幸せな気持ちも溢れました。いつか皆さんが日本にいらした際にはおもてなしのお返しをしたいです。
私はふれあいの場サポーターの終了後にすぐ大学の卒業を迎え、この4月からは大学院生となりました。大学院への進学を目指すきっかけも、中国への興味を持ったことが非常に大きかったです。大学で専攻していたのは日本文学であり、第二外国語の授業選択も中国語ではなかった私ですが、中国のことをもっと知りたいという気持ちが「学びたい」という気持ちを奮い立たせてくれました。
そして、一緒に大学院への進学を目指しながら励ましてくれたのは中国の友人たちでした。文系での大学院進学が珍しい日本で、私は孤独な戦いをするはずでしたが、一人じゃないと思えたことが本当に嬉しかったです。
これまでの出逢いに心から感謝し、ご縁を大切にしながら、これからも中国と日本の交流、友好の輪に携わっていきたいと思っております。
国際交流基金の皆様、貴重な経験をさせていただき本当にありがとうございました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
法政大学大学院人文科学研究科日本文学専攻 修士1年
河村舞彩
2024年9月30日