Voice ~参加者の声~ 小野 夏佳さん
憧れへの挑戦:出会いを通じて新たな自分へ!
名前
小野 夏佳(おの なつか) さん
プロフィール
2003年生まれ。埼玉県出身で、現在は京都府立大学文学部歴史学科に所属。
2023年10月~2024年2月、ふれあいの場サポーターとして、済南ふれあいの場とオンライン交流を行い、3月には6日間の済南渡航を行った。
2024年8月、コーディネータープログラムでは、ふれあいの場の代表学生と共に関西研修に参加した。
参加のきっかけ
大学2年次の夏、キャンパス内で「中国」と大きく書かれたポスターを見つけたことが、国際交流基金の活動との出会いでした。活動への参加を決めた理由は主に二つあります。
第一に、中国への強い関心です。大学で歴史を専攻する中で、日本と深い縁のある中国に特に興味を持ちました。学びを深めるにつれ、実際に中国を訪れ、現地の人々と交流したいという思いが芽生えました。
第二に、内向的だった自分を変えたいという思いです。高校生の頃から国際交流に興味はあったものの、なかなか一歩を踏み出せずにいました。この活動は、そんな私にとって大きな挑戦でした。
済南ふれあいの場との交流
2023年10月、私と済南ふれあいの場との交流が始まりました。もう一人の日本人メンバーとふれあいの場のリーダーさんと企画し、月に一度オンラインで文化交流イベントを開催しました。
ふれあいの場サポーターとしての活動の締めくくりとなる2024年3月、6日間の済南渡航を行いました。渡航の主な目的は、日本人メンバーによる日本語授業アシスタントと対面での日中文化交流イベントの実地でした。「ついに中国に行ける!」という期待と同時に、企画担当の日本人6人とも初対面という状況で、人数の多い済南ふれあいの場全員が楽しめる企画ができるか不安もありました。それでも皆で協力し、授業では日本の年中行事や大学生活、若者言葉を紹介し、イベントでは日本の縁日を再現しました。法被を着て、輪投げ・お菓子のつかみ取り・折り紙のブースを設け、最後には皆で盆踊りを体験しました。
これらの活動に加え、学校内でのカラオケ大会や学食、博物館、湖など済南の名所めぐりなど現地の学生さんと沢山の思い出を作りました。初めてのことばかりだった済南渡航の終了時には、充足感と同時に寂しい気持ちでいっぱいでした。「また絶対に会おう」と約束して帰国しました。
関西研修
2024年8月6日から5日間、コーディネータープログラムに参加しました。この活動で私は、各ふれあいの場から訪日研修に参加した代表学生さんに対し、日本人メンバーとして関西圏でのアテンドを行いました。事前に、私を含む日本人2名、中国人3名の班で行き先を企画・検討し、研修では大阪、京都、奈良を訪れました。道頓堀、嵐山、東大寺などそれぞれの府県の名所を見学し、同じ関西圏であっても雰囲気が全く違うことに驚きました。京都では日本文化体験として、茶道と匂い袋作りを行いました。アテンドする立場となって初めて、今まで気が付かなかった日本文化の特徴や良さを再発見しました。
活動全体の中で一番印象深く感じたのは、皆さんとの会話でした。日中の学生生活や食文化の違い、さらにはそれぞれのふれあいの場の活動についてなど、研修中に様々な話題で交流できました。最後の夜には、皆で浜辺での花火を楽しみました。真夏の研修は暑くて大変でしたが、忘れられない貴重な経験となりました。
最後に
これらの活動を通して、これまでの自分の狭い世界を広げることができました。以前より中国への関心が深まり、簡単な中国語の資格も取得しました。また、「国は違えども同じ学生である」と感じた経験から、より中国に親近感を覚えるようになりました。憧れていた国際交流を実現できたことは、自信にもつながりました。
そして、何より人と人との繋がりの大切さを学びました。活動中、数え切れないほどの思いやりに触れました。特に自分ならつい躊躇してしまうような場面でも、素直に困っている人のために行動できる中国の学生さんの姿に何度も感動しました。「国境を越えて、心と心で繋がり合える」。よく聞く言葉ですが、実際に体験するまでどこか遠い理想のように感じていました。今もまだ「すごい体験ができたなぁ」という感覚に包まれていますが、この貴重な経験を今後の人生で徐々に消化しながら、活動で得たご縁を大切にし、何らかの形で日中友好に貢献していきたいです。
活動中、出会ったすべての方々に感謝を申し上げます。貴重な機会を頂き、本当にありがとうございました。
京都府立大学
小野夏佳
2024年10月1日