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イベントレポート

広州ふれあいの場:『南国広州・春の風物詩』投稿コンクール

2023年5月

 広州ふれあいの場が主催の「南国広州・春の風物詩」投稿コンテストは、中山大学、曁南大学、華南師範大学、広東白雲学院、広州南方学院など多くの大学の学生から12件の投稿が寄せられ、その中にショートビデオが2点、写真+短文が10点ありました。作品の中で、みんな自らの視点から春の生命力を捉え、南国広州の独特な魅力を表現しています。
 本コンテストの審査員は5名です。その内、3名が日本語学科の教師、徐愛紅先生と野呂田萌子先生と重原翼先生で、2名が広州ふれあいの場の活動に協力してくださる日本人の大学生、澤瀬清香さんと斎藤小々菜さんです。
 入賞作品は特別賞と総合賞の2部門に分けられます。特別賞は撮影部門最優秀賞と文章部門最優秀賞が設けられ、総合賞は一、二、三等賞となります。

 入賞者と所属校は下記の通りです。

 特別賞:

 撮影部門最優秀賞:陳秀玲(広東白雲学院)
 文章部門最優秀賞:聶梓晴(中山大学)

 総合賞:

 一等賞:李琳(広東白雲学院)
 二等賞:夏冬(中山大学)、李若宇(曁南大学)
 三等賞:袁和怡(中山大学)、黄新紀(中山大学)、孫雯雯(中山大学)

以下、受賞作品と審査員のコメントとなります。

【撮影部門最優秀賞】
▶審査員のコメント

それぞれの風景を繊細な言葉で表現していて、心が癒される動画です。本当に、春ならではの雰囲気があって、テロップの書式も工夫されていて、動画作成のセンスが素晴らしいと思いました。
道端にある小さな発見から繊細な美しさを感じました。
春の花、気がつけばすぐそこにある。朝露かかった顔、可憐な顔、凛とした姿、ベンチの上で踊っている姿……見逃すなくカメラに収め、やさしいメロディーとともに流れていく。とても美しく癒される動画でした。
たくさんの春の花と自然を紹介してくれて、広州の春を体験したような気持ちになれました!「あなたはここにいる」「土の中に春の響きがある」という表現がとても素敵だと思いました。

【文章部門最優秀賞】

南国の広州は、雨季の始まりが早い。3月末から、しとしと降ってきた春雨が花城の広州にぼんやりとした美しさをもたらしてくれる。霧のような春雨は花の煌びやかな色を和らげるだけではなく、ぽたぽたと雨音も騒々しい街を静かにしてくれる。雨上がりに、木々が春雨で青葉になり、広州の春の生命力を示している。
広州の春雨は、美しくて生気に満ちている。じめじめした空気、なかなか乾かない洗濯物といった悩みがなければ、申し分のない季節だが。

▶審査員のコメント

「ぼんやりとした美しさ」や「花の煌びやかな色を和らげる」など、情緒の中に見える 美しさを筆者独自の言葉で表しており、その点に非常に魅力を感じました。最後にオチ をつけることで、文全体を引き締める効果を出している点にも、感心しました。
雨の美しさと憂鬱さを同時にうまく表現できていると感じました。
文章が短い小説のようで読んでいて心地よかったです。雨の春も風情があって落ち着いて良いですね!
しとしと、ぽたぽたといった言葉の表現や霧のようなといった比喩表現を使っていて日本語のレベルが高いと思いました!雨の春をピックアップした作品に目を惹かれました。

【一等賞】
▶審査員のコメント

クローズアップされた野花だけでなく、広州の街全体の風景がはっきり写っていて、 「ああ、これは自分の住んでいる街だ」とはっきり感じられる作品です。素敵なビデオ、ありがとう。
シーンとメッセージがマッチしているし、さまざまな角度からのカット割りが良かったと思いました。
動画がとても丁寧で、美しかったです!広州にはハナミズキが咲き誇る素敵な場所があるのだなと羨ましく思いました。

【二等賞】夏冬(中山大学)

春といえば、もちろん花見です。
でもお寺でお花を楽しむのは初めてです。
仏像の穏やかな表情や寺内の緑、無言で手を合わせて祈る時間……。寺社を訪れると、不思議と心も落ち着いてくるものです。
月明かりの中、お寺の灯りがお花と混ざり合っています。夜のハナズオウを眺めているうちに夜が早々に明けてしまいました。
じめじめした空気、凛とした古刹、気品あるハナズオウの姿。どこか昔ながらの広州を思わせる風景に癒されます。

▶審査員のコメント

お寺での夜のお花見は神秘的で、こんな時間の過ごし方は素敵だと思いました。
お寺とお花のコラボが素敵だと思いました。また、作品の写真が圧巻でとても印象的です。
素敵な作品だと思いました!
写真がとても美しくて驚きました!こんなに立派なお寺で、広州の鮮やかな春を感じることができるのが羨ましいです。ぜひ行ってみたいです!

【二等賞】李若宇(暨南大学)

春が来て、星のような菜の花も輝いている。キラキラと輝く花の海で、かわいい兎が青空を仰いでいる。十二支のうち、2023年はちょうど兎の年である。春は一年の始まり。この兎は、今年中に実現したいことを考えているのだろうか。菜の花が生き生きとしている。今年も必ず鮮やかな菜の花のように、元気いっぱい、夢いっぱい!

▶審査員のコメント

春と一年の始まりをつなげている作品が少なかったので、感性が素晴らしいと思い、投 票させていただきました。春に対する癒しだけでなく、未来に対する期待や興奮などの 気持ちも感じられる、素敵な作品だと思います。
表現と写真が上手く組み合わさっていて、菜の花とウサギがうまく映えていると思いました。
「星のような菜の花」という表現がとても素敵です!紹介してくださった菜の花のように元気に真っ直ぐ目標に向かって努力したいと思いました!

【三等賞】袁藹怡(中山大学)

道端の花壇は、私にとって春の風物詩の一つです。ピンク、紫、赤などの色鮮やかなお花が咲き誇り、街角を春色に染めています。花壇はまるで通行人に贈られる花束のようで、通るたびに幸せな気分になります。
南国の広州は春花の観賞スポットがたくさんありますが、忙しくて訪れる時間がない人もいるでしょう。そんな時、道端の花壇の前に立ち止まり、お花の色と匂いを存分に楽しめば、春を満喫することもできるでしょう。

▶審査員のコメント

「通行人に贈られる花束」という表現がかわいらしく、またとてもぴったりだなと感じました。
私も道端の花壇を眺めることが好きなので、なんだか嬉しかったです!ささやかな美しいものや心温まるものを見つけられる視点が素敵だなと思いました。

【三等賞】黄新紀(中山大学)

桜と心

かつて広東は桜がないと思っていたが、今年初めて桜を見たのである。
「桜って、こんなもんだぁ~」
美しいといえば美しいのだが、今あちこちで咲き誇っているバウヒニアの花に勝るとは思えない。ネットでよく「一番きれいな花は桜だ」との投稿が目に入るが、花々の美しさって、本当に比べられるものだろうか?
私からすれば、美しいのは、お花自身ではなく、春を楽しむ心なのだ。その心を持っていれば、目立たないものでも、きっとそこから美しさを見出すことができるのだろう。

▶審査員のコメント

春の花の美しさだけでなく、自分の心の動きに目を向けている点が、大変感性が豊かだ と感じました。同じものや風景に対して、人それぞれ別の感じ方をしますよね。そのことを、この作品を見て改めて実感し、人と語り合うことの大切さを感じました。
美しい気づきですね。あちこちで咲いているというバウヒニアの写真がぜひ見たかったです。
「本当に美しいのは、花自身ではなく、春を楽しむ心なんだ。」という一言に衝撃を受けました。すごく素敵な視点だと思います。春や花を楽しむことができる心を育てていきたいです。
花の美しさは比べるものではないということと、本当に美しいのは花自身ではなく、春を楽しむ心という考えが素敵だと思いました。桜の写真も青空とマッチしていて綺麗です。

【三等賞】孫雯雯(中山大学)

広州の四季が大好きです。春が暖かくお花が咲き、花の海のような町で心を癒されます。
今年も広州の春に出会って本当によかったです。何枚か写真を撮りましたが、最も広州の春を体現できるのはこの写真です。赤いのは木綿の花。色が鮮やかで、情熱的な印象が与えられます。木綿の花は美しいだけでなく、スープにすると、清熱解毒の効能もあると言われています。
お花は自然の贈り物であり、ロマンチックは広州の優しさ。

▶審査員のコメント

立派で美しい花をしっかりと捉えていると思いました。
最後の「花は自然の贈り物であり、ロマンチックは広州の優しさ」という文章が特に好きでした。広州の四季、特に春は私たちの心を癒してくれるということがとても伝わる文章で素敵だと思いました。

 

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