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イベントレポート

広州ふれあいの場:「粤談東瀛」第二回のイベントレポート

 2024年926日、広州ふれあいの場が主催の「粤談東瀛(広東と日本の語り合い)」第2回「淳一in広州」が、中山大学外国院にて開催された。
 「粤談東瀛」は 広州ふれあいの場設立10周年記念イベントとして企画されたものであった。趣旨は中国に来た日本人の広州に対する印象や、広州から日本へ留学した学生達が国境を越えた体験などを共有することで、中日両国の民間友好交流を強化するというものである。コロナ禍の影響により一時中断された「粤談東瀛」は4年ぶりに再開された。

   今回のインタビューのゲストは中山大学日本語学科の渋谷淳一先生であった。司会は日本語学科の趙乾宇君、通訳は鄒雨鵬君が務めた。中山大学日本語学科の教員や学生、学外の日本語愛好家が30名ほど参加した。

 インタビューでは、司会者が事前アンケートで収集した質問を渋谷先生に答えてもらった。たとえば渋谷先生が中国に来たきっかけや、中国で感じたカルチャーショック、好きな広東料理、中国と日本の大学生の違いなどである。また、先生は中国に来てから感じた日中若者がアイドルを追いかける場合の違いやお勧めのアニメなども共有してくれた。アンケートの問題のほかに、来場者の質問コーナーも設けられた。皆積極的に質問し、渋谷先生が丁寧に答えてくれた。

 日中大学生の違いについては、渋谷先生は中国の学生は教員に対して友好的であること、中国の学生は日本の学生よりもビデオゲームに費やす時間が長いが、宿題の完成度が比較的に高いことを指摘した。 また、中山大学と同レベルの日本の大学では、学生たちが専攻の勉強以外に、自分の興味のある分野を掘り下げようとする学生も少なくないと付け加えた。

 お薦めのアニメについては、片渕須直監督の『この世界の片隅に』と湯浅政明監督の「四畳半神話大系」の2作品が挙げられた。前者は1943年から1945年までの日本社会における日本人女性の地位に関するもの、後者は京都大学の学生寮を舞台にした青春物語である。 アニメの鑑賞を日本語の練習の機会にし、鑑賞後の感想も聞かせてほしいと渋谷先生が言った。

 今回の対談ではいくつか興味深いトピックもあった。例えば、渋谷先生は中国に来て初めて食べたコリアンダーの味に圧倒されたこと、広州のあまりにも湿気の高い気候に驚いたこと。そして街中や地下鉄でよく見かけたアニメのコスプレイヤーに不思議に思ったこと、なぜなら日本だとアニメのコスプレイヤーは特定のイベントでしか見かけないからだと教えてくれた。

 来場者からの質問コーナーでは、中国から日本の中学校や高校に留学する「低年齢留学」が増え始めたことについてどう思うかや、日本のお薦めの観光ルートといった学生達が関心のある質問であった。お薦めの観光ルートについては、渋谷先生は「初めて日本に行く方だと、関西がお薦め。関西は名所が多く、観光資源が豊富。京都、大阪、奈良、神戸はそれほど離れておらず、移動しやすい。大阪はグルメも有名」と話してくれた。

 今回の対談会は1時間半だったがあっという間に感じられた。最後に中山大学日本語学科の徐愛紅先生が来場者に感謝の意を述べ、今後も引き続き広州ふれあいの場の活動を支持していただくよう述べた。

   言葉はコミュニケーションの架け橋であり、言葉を通して、私たちは手をつないで歩み、心を一つにして、異文化コミュニケーションのギャップを埋めていく。一期一会、広州ふれあいの場での出会いに感謝しつつ、次回の「粤談東瀛」でまた会おう!

 

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