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日本と中国の若者が未来を共に創る

参加者インタビュー

Interviewインタビュー 中国から日本に留学し、戸惑いながらも成長し続ける。
レンズ越しに写る彼ら“今”を追います。

「毎日、あっという間に夕方になります」

鄒君が通う共生高校の全校生徒は約300人、そのなかで約1割が外国人留学生で、中国、台湾、韓国、カンボジアとアジア色豊かだ。日本人の生徒も県外組が多く、九州や遠く関東からの生徒もいる。
ここでは様々な土地や国で育った人が、お互いの違いを認め合いながら一緒に過ごしている。
新見市のような小さな街で、多様な価値観を持った人たちと出会えることはとても貴重なことだろう。

新見の町を歩けばお年寄りがよく声をかけてくる。目が合えばにっこり笑う。
この土地を訪れた3日間、私は先日滞在したNYのクイーンズを思い出した。移民が多く住み、みんながフレンドリーなところが少し似ている。

だが、エネルギーがあり余っている高校生にとって新見は決して刺激的な町ではない。コンビニの数も少なく、買い物する場所は限られている。
空は広く青く、鄒君が「せっかく買ったのに凧揚げができない」と嘆くくらい風はあまりつよく吹かない。ここはそんな穏やかな町なのだ。

鄒君お気に入りの城山公園の高台から新見の街を見下ろした時のことだ。
「あ、電車の音」と耳を澄ませる。
2両編成の電車が遠くの方からだんだん音を大きく響かせながら近づいてくる。
「中国人の僕にとってはこういうことも珍しいです」
自分の考えを確認するように、彼はいつもゆっくりと話す。

それにしても、彼の日々は多忙だ。
時間すら穏やかに過ぎていくように感じられる新見だが、日々は確実に過ぎて行く。
鄒君はそのことをよく分かっているのだろう。興味があればなんでも挑戦していることが伝わってくる。

放課後は、地域との結びつきが強く様々なボランティア活動をするインターアクト部と、バスケ部を掛け持ちし、授業では茶道や裁縫にも挑戦している。
学校の友達も鄒君にとっておもしろそうなことがあれば、どんどん誘ってくる。
仲良しの友達は鄒君との別れの日のことを思うと、もう今から淋しくなってしまうのだという

鄒君にとってこの小さな街、新見で過ごす何気ない日々が特別だと感じられるのは、勉強ばかりしていたという中国での生活と違い、ささいな気持ちすら伝え合える人との関わりがあるからなのではないだろうか。

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