心連心ウェブサイトは日本と中国の若者が
未来を共に創る架け橋となります。

JAPAN FOUNDATION 国際交流基金[心連心]

日本と中国の若者が未来を共に創る

参加者インタビュー

Interviewインタビュー 中国から日本に留学し、戸惑いながらも成長し続ける。
レンズ越しに写る彼ら“今”を追います。

今を楽しみたい

待ち合わせの首里城に、ちぃちゃんこと張馳さんと、彼女のクラスメイトの美泉(みが)ちゃんがやってきた。
会ってすぐ、「風が吹くから帽子を買いたい」と2人が言う。
「太陽もそんなに強くないし、第一、風が吹くから?」と思ったが、風で髪がバサバサになるのがイヤなのだと言う。帽子で抑えようというわけだ。おしゃれには余念がない高校2年生、ちょっとした髪の乱れも気になるのだ。
でもそのあと、風で帽子が飛んでしまい大騒動だったのは言うまでもない。

記念写真を何枚も何枚も撮ったり、アイスクリームを食べたり、腕を組んで歩いたりと、はしゃぐ2人に仲の良さが伝わってくる。
「美泉はほんっとに、優しい」
照れ屋なちぃちゃんを美泉ちゃんがサポートし、いろんな沖縄を体験させようとする。うん、いい友達だ。

日本に来て9ヶ月、沖縄のなにが一番好きかと聞いたら、すかさず、
「沖縄はおいしいですよ〜!」と親指を立てる。特にタコライスがお気に入りだそうだ。
でも、ほとんどが寮で出るご飯のこと。とても満足しているようだ。
その他、数多くある沖縄のお菓子の中でもどれがお気に入りなのかを事細かに説明してくれ、その日2個目のソフトクリームを食べることになった。
「絶対、ほんとにおいしいから、食べてほしい!」
その熱意に、負けた。

台風が沖縄に接近している月曜日、学校のピロティには伝統芸能「美ら舞エイサー」の練習が行われていた。
女子が合わせて踊る沖縄民謡と、男子の練習する太鼓の音が、風に乗って空に舞い上がって行く。
2年生に踊りを教える3年生の手つきがとてもきれいでみとれてしまう。でも、これは簡単には覚えられそうもない。
みんなお昼ご飯を数分でさっと食べ、一息つく間もなくここに集まり、毎日少しの時間も惜しんで練習するのだそうだ。

ちぃちゃんもその中に混ざって練習していた。その目はまさに真剣そのもの。
「伝統の踊りだから間違えるわけにいかないし、ほんとに難しいんですよぉ」とタオルを握りしめる。

昨日はあんなに髪型のことを気にしていたのに、撮影のこともすっかり忘れ練習に没頭する彼女を見て、「今を大切にして楽しむの」と言っていたのを思い出した。
「ホームシックにはなるけれど、淋しくて帰りたいとは思わないし、中国に帰ったら日本に戻りたいって泣くことはないと思う」
ずいぶん潔い。

そんな彼女が気にするのは、少し身体の悪いお母さんのこと。
いつも今日はどんなことをしたのか報告しているそうだ。
彼女がたくさん写真を撮るのも写真が好きだからではなく、なかなか出掛けられないお母さんに見せるためなのだ。

照れ屋なのに積極的な彼女。それは彼女の優しさそのものなのかもしれない。

よく読まれている記事

  • 国際交流基金 JAPAN FOUNDATION
  • アニメ・マンガの日本語
  • 日本国际交流基金会|北京日本文化センター
  • 日本国际交流基金会|北京日本文化センター[微博]Weibo