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日本と中国の若者が未来を共に創る

参加者インタビュー

Interviewインタビュー 中国から日本に留学し、戸惑いながらも成長し続ける。
レンズ越しに写る彼ら“今”を追います。

初めまして!Qでーす!

「クラスメイトの男の子が、わたしの名前Qiao Qianqianだから“3Q(サンキュー)だね”って言ったのー!」
と大爆笑する彼女、Qちゃんとは、その日会ってまだ15分足らずの時。
なんて大きな声!笑っちゃうくらいにハイテンション!
気取らず、あっけらかんと真正面からぶつかってくる彼女との距離を縮めるのに時間はかからなかった。

今お世話になっているホストファミリーの家に来てからまだ1ヶ月だというのにも驚いた。彼女が完全に馴染んでいたからだ。
「お母さんお腹空いたーっ」と甘えてみたり、お父さんから日本での礼儀作法について注意されるのを真面目に聞いていたり、大切にされているのが伝わってくる。
何にでも興味津々でじっとしていられず、雨の日に電車に傘を忘れたりするおっちょこちょいな彼女。ホストファミリーのお父さんが「小学3年生みたいだ」とからかう。
今度はQちゃんがご夫婦の仲の良さを「お父さんたち、ラブラブ~で、らくらく~だよね~」と言って笑う。

彼女に「理想の生活ってどんなもの?」と聞いてみた。
「それはね、やっぱり、わたしのことを好きな人がいて、その人のことをわたしも好きで、その人と一緒にいられること。あとは小説を書いたりしたい」
自分の中にわき起こったことや、美しいと感じたものを書くのが好きだと言う。どんどん書けて約7万文字の小説を書いたけど、まだ完成はしていない。
「内容はもちろん恋愛小説だよ~。女の子だもん!」
Qちゃんは恋に恋する女子高生なのだ。

自分の思っていることを正直に口にし、人との壁をあっさりと乗り越えてしまう彼女だが、昨年の9月に日本に来てから半年間はまったく馴染めなかったという。
「友達が全然できなくてほんとに淋しかったよぉー」
このままで中国に帰ることになってはいけないと思ったのだろう、彼女はある決心をし、行動に移した。
まず寮ではなく、ホームステイさせてくれるところを探すこと。
これまで留学していた先輩に連絡を取り、外国人の相談を受け付けているセンター、出羽庄内国際村を知った。
交通手段は、本数が少なく料金も高いバス。彼女は1時間かけて歩いた。
そこであるホストファミリーと出会い、週末だけ2ヶ月間、ホームステイさせてもらえた。

そしてもう1つの決意。
新学期が始まり、新しいクラスになった。
「ぜったい、わたしから話しかけるって決めてたよ。わたしから、らくらく~の雰囲気にするんだ」
部活動にきていたクラスメイトが遠くからQちゃんに声をかけてきた。
彼女は何度も「友達も一緒に撮影できたらよかったのに」と残念がった。

お祭りの日、御神輿を担がせてもらえることになった。
「初めまして!」地域の方々に混ざって行く彼女。
意外にも何度も躊躇しては、中に入って行く。
彼女にとって、知らない人と仲良くすることは決して容易ではないのかもしれない。
梅も桃も桜も一気に花が咲く東北地方で過ごすこの春、彼女の中で何かがぱちん!と、花開いたのではないかと思う。

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