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参加者インタビュー

Interviewインタビュー 中国から日本に留学し、戸惑いながらも成長し続ける。
レンズ越しに写る彼ら“今”を追います。

中国の友達にさくらの花をおくります

初めて彼女に会った瞬間、「おや?」と不思議な感覚を覚えた。
けいちゃんこと、張馨予さん。高校2年生、17才。
この落ち着きぶりはなんだろう。
初めて会う人にも自分らしくいられることはけっして簡単ではない。それを彼女はなんとも自然にやってのける。
「無理はしません。無理すると悲しいでしょう?」

撮影当日、さくら祭りが開かれている河川敷にけいちゃんの友達が集まってくれた。みんながそれぞれの個性を認め合う、いい仲間だ。
それにしても女子高生のガールズトークはスピードが速い。
日本に来たばかりの頃、日本語がほとんど理解できなかったというけいちゃんも同じスピードで話す。
そうとう勉強したのだろうし、なにより彼女のこのコミュニケーション力があってこそではないだろうか。

彼女はこの半年間に、寮とホストファミリー5軒をほぼ1ヶ月ごとに移り住んだ。
新しい生活環境に慣れることは、さぞ大変だったろうと聞いてみたら、「楽ではないけれど、すごく楽しかったよ」と笑う。
彼女は様々な家庭に触れて初めて知ったことがたくさんあり、中国の家庭ではめずらしいという、専業主婦についての考え方もかわった。
「いつ帰っても家があったかいなんて。“いってらっしゃい”って、ちゃんと言えるなんて。それはすごいあったかいこと。そういう幸せもあるなんて知らなかった」
和食がおいしい家庭や、家族みんなが自負するほどの変わり者家族、まるで妹のような人との出会いもあった。
外側からだけでは分かり得ないそれぞれの家庭のあり方を、彼女はこの半年間でたくさん経験した。
彼女は自分の家族がちょっと複雑だったこともあり、きっと人一倍家庭というものについて考えてきたのだろうと思う。

嵐の日の喫茶店で彼女は言った。
「世界は広い!」
身の回りで、たとえば友達といざこざがあったとしても、世界の広さを知っていれば、自分の心を煩わせていることがとても小さなことだと分かる。
元々は極度の心配性だという彼女は日本に来てそんな風に考えられるようになった。

中国の何人かの友達からこれまでに9通、手紙が届いたという。
「手紙の中にさくらの花を挟もう!」
形の整っているさくらの花を見つけてはていねいに拾い、彼女は寮へと戻って行った。

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