Voice ~参加者の声~ 潘撼さん
私と日本との切っても切れない縁
名前
潘撼Pan Han さん
プロフィール
1989年生まれ、遼寧省瀋陽市出身。東北育才学校に入学、高校2年生の時に、心連心:中国高校生長期招へい事業の第一期生として、2006年9月から、1年間茨城県土浦日本大学高等学校に留学し、日本との切っても切れない縁が始まりました。
中国に戻って高校卒業後、再び日本へ留学し、6年間を東京大学と大学院で過ごしました。日本留学中は、数多くの国際交流に関する活動に参加しました。大学院卒業後はSONYに就職し、イメージセンサーチップの商品設計と研究開発を行いました。
現在は、上海のあるテクノロジー企業に転職し、プロダクトリーダーとして主に商品の企画、プロセスデザイン、その後の量産やクライアントサポートなど携わっています。販売、設計、顧客サポート等の各部署との調整も必要で、自分の知識はまだまだ足りないと感じており、現在も日々勉強し、業務においてより良いパフォーマンスができるよう、努力しています。
将来は、さらに自分の専門知識と日本文化への理解を活かし、より多くの優れた集積迴路チップを設計するとともに、日本を始めとした海外の顧客をさらに開拓し、一歩ずつ歩みを進め、自分の抱負を実現していきたいと思っています。
高校時代の素晴らしい思い出
私は2006年に、心連心:中国高校生長期招へい事業に参加し、茨城県土浦市の土浦日本大学高等学校に1年間留学しました。高校での海外留学経験は様々なところで役立ちました。日本語や知識面での進歩のみならず、如何に初対面の人と仲良くなるか、如何に異なる文化や異なる背景を持つ人の声を謙虚に聞くことができるか、如何に自立して自分なりに考え、判断するかなど、たくさんのことを学びました。今でも、高校留学時代の友人、先生、ホストファミリーとは連絡をとっており、心連心プログラムは私の人生にとって、とても有益な体験となりました。
日本での大学生活
私は大学と大学院で、半導体技術を専門とした材料工学を専攻し、SONYに就職してからも大学での専門に関係した業務に携わりました。日本の大学は、知識を探求する雰囲気がものすごく強く、世界をリードする科学技術分野も多く、海外の大学や機関との交流も頻繁にあります。私が研究室に所属していた時も、何度かアメリカのマサチューセッツ工科大学へ行き、交流しました。また、大学内は運動系、文化系、国際交流系等たくさんのサークル活動があり、サークルの友達との友情も大きな利益となりました。妻との出会いもサークルでした。昔ある本でこのような言葉を読んだことがあります。「素晴らしい人生のキーポイントは何かに夢中になることである」。私は、日本で留学、生活することができ、好きな仕事や人生のパートナーまで見つけることができたという事は、とても幸せなことだと思います。日本での留学経験のおかげで、私は多くの考え方や人生の計画を形作ることができました。
東京から上海へ、10年前に書いた自分への手紙
2017年、私は10年近く生活した日本を離れ、上海へ戻ることを決めました。家庭のことを考えたというのもありますし、自分の将来設計のためという理由もあります。私が携わっているチップ電子工学という分野は、現在中国市場において有望であると同時に、近年次々と新興企業が成長を遂げています。将来は、この業界で活躍の場を広げ、自分の会社を立ち上げたいと考えています。しかし、私と日本との縁は、帰国したからといって切れたわけではなく、今でも日本の友達のことを恋しく思っていますし、日本に対してはとても思い入れがあります。
2017年8月、私は国際交流基金日中交流センター(心連心プログラムの主催団体)の金子先生と上海で再会しました。そのとき、金子先生は2007年当時、私がまだ高校生だった時に書いた「10年後の自分への手紙」を私に渡してくださいました。10年前の手紙の一句一文字を改めて読んでみて、懐かしさ、楽しさ、嬉しさ、無力さが、一気に湧き上がり、胸がいっぱいになりましました。東京大学に進学するという実現できた夢もありましたが、まだ叶えてない夢もあります。高校時代から日本との切っても切れない縁が始まり、あっという間に10年が経った今、自分の青春は本当に充実した悔いのないものであったと実感しました。
後輩たちへのメッセージ
海外で留学し生活できるチャンスがあるのは、とても幸運なことなので、皆さんもぜひこのチャンスを大切にしてください。身近な人とどんどん交流し、異なる社会や異文化の考え方を体験し、自分はいつ、何をして、どのようにすればいいのかを良く考えてください。皆さんも上海に来た際には、ぜひ日本での生活、自分の経験を一緒に語りましょう。
最後に、皆さんの生活が充実し、未来が素晴らしいものとなることを祈っています。
Best Regards
心連心プログラム第一期生 潘撼
2017.10.10