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Voice ~参加者の声~ 氏家 由希子さん

目に見えぬKで繋がっている

名前
氏家 由希子(うじいえ ゆきこ)   さん

プロフィール
1995年宮城県大崎市生まれ。2015年3月、山形大学1年次に、大学が実施する「学生大使派遣プログラム」に参加し、吉林省延辺大学に2週間滞在。
2016年3月、国際交流基金日中交流センターの中国「ふれあいの場」大学生交流事業に参加し、吉林大学に設けられた長春ふれあいの場で仲間と一緒に「伊達まつり」を開催。2017年には大学を休学し、国際交流基金アジアセンターが行う「日本語パートナーズ」事業でインドネシア・ウンガラン第一国立高校に約10か月間赴任。本文は、インドネシアへ赴任中に日中交流センターへお寄せ頂いたものです。

きっかけは突然に

「中国で“祭り”をやろう!」2014年10月、中国「ふれあいの場」大学生交流事業への応募を初めて試みた時のことです。突然、別の海外事業で知り合った友人に誘われました。宮城県仙台市在住の大学生5人組で挑んだものの、簡単には手に入らない中国への切符。それもそのはず、大学生交流事業は現地の学生たちと力を合わせ、自分達がゼロから練りあげた“祭り”を成功させるのがミッションであり、綿密な計画が欠かせません。その時に採用されたのは、残念ながら別のチームでした。

写真写真を拡大凍える延吉の寒さと温かく接してくれた友人達を思い出します。2015年3月

再挑戦を心に誓う一方、私は大学のプログラムにより、思いがけず単身中国を訪れます。中国語は自己紹介と挨拶を交わすのがやっとのまま、吉林省にある延辺大学で過ごした約2週間。講義やスポーツを通じて、日本語学科の学生とかかわることができました。滞在中は教授に代わり、ひとりで教壇に立つチャンスもありました。私が経験した東日本大震災について話し、迎えた震災から4年目の3月11日は下宿先で黙とうを捧げました。

感動を残したい

中国「ふれあいの場」大学生交流事業のリベンジを果たすべく二度目の挑戦で晴れて採用され、派遣先に選んだ長春も、前に訪れた延辺と同じく吉林省に位置しています。私が暮らす仙台市とは友好都市の関係です。「“祭り”をきっかけに繋がって、いつか仙台に来てほしい」。メンバー5人の願いと、地元の方言をかけ合わせたチーム名は「K-line」。私達は「仙台の四季」を来場者に体感してもらう“祭り”を企画しました。1年越しの思いが実り、昨年3月に「伊達まつり」を実施できました。運営に携わってくれるカウンタパートの学生と渡航前から協力し合いました。彼女達から伝わってくる日本文化への興味や日本語習得への情熱に感動していたのは私の方でした。イベント当日、400人もの来場者の笑顔に会えた達成感は忘れられません。一生懸命に舞ったすずめ踊りのお囃子を、色鮮やかに飾り付けた夏の七夕を、食堂の鍋で煮込んだ秋の芋煮を、枝豆をすり潰して餡をつくった緑のずんだ餅を、みんなが覚えていてくれたら嬉しいです。

写真写真を拡大長春では初の大学生交流事業を、盛大に開催できました。 写真写真を拡大宮城の戦国武将「伊達政宗」を装っているのが日本側の運営リーダーです。

絆は帰国後も

2016年4月から再び、私は自宅のある仙台市と大学キャンパスのある山形市との往復生活を再開しました。奇しくも所属する研究室に、来場者として「仙台伊達まつり」を楽しんでくれた吉林大の学生が留学してきました。思い出話に花を咲かせるうちに、彼女は留学前までカウンタパートのルームメイトだったことを知りました。そのカウンタパート、担当ブースで一緒に芋煮をつくった史偉平さんとは、史さんの留学先の東京で2016年秋に再会を果たしました。

「K-line」との交流で得たことをテーマに、中国で日本語を学ぶ大学生を対象に毎年行われている「全中国選抜日本語スピーチコンテスト」で優勝に輝いたカウンタパートもいます。祭日は一瞬でしたが、重なった嬉しい出来事は、私達が強い絆で繋がっていることに気づかせてくれました。

写真写真を拡大史さんと、日本での再会を喜びました。

パートナーズとして架け橋に

大学生交流事業で求められるのは、「祭り」後の交流の継続です。中国の友人との関係も大切ですが、これまで参加した海外事業の経験を活かすことこそ、自分なりの継続だと考えています。海の向こうで日本語を学ぶ友人に、何度も支えられてきました。今度は私が学び手の力になりたいと考えていた時、アジアセンターの「日本語パートナーズ」事業を知り応募しました。昨年12月、インドネシアへの派遣に採用されたことを伝えると、吉林大学の朋友たちは「すごいね!」「お互い頑張ろう。」とメッセージをくれました。今年3月の研修を経て、7月から中部ジャワ州の高校で日本語のティーチングアシスタントをしています。

写真写真を拡大インドネシア人の日本語の先生と一緒に。

「ふれあいの場」のカウンタパートは学生でしたが、ここでは日本語の先生が私のパートナーです。彼女と日本語を学ぶ生徒達に歩み寄ろうと、インドネシア語でも積極的に話しています。自分の意思を伝えるのも、相手の言葉を聞き取るのにも精一杯な日々の中で、生徒や出逢えた友人ひとりひとりに届けたいメッセージがあります。「日本語を学んでくれてありがとう。」感謝を伝え、私は彼らと日本を繋ぐ架け橋であり続けたいと思っています。

写真写真を拡大7クラスで約250人の生徒と勉強しています。毎日が刺激的です。

2017年10月6日 日本語パートナーズインドネシア7期 氏家由希子

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