Voice ~参加者の声~ 田丸倫子さん
二兎を追う交流!(日中文化交流+環境問題対策)
名前
田丸 倫子 (たまる みちこ) さん
プロフィール
生まれ年:2000年
出身地:大阪府
現在の所属:京都産業大学 理学部
苦い思い出の残った中国オンライン留学
私は小学生の頃から中国文化に興味を持っていました。そんなある日、大学から中国の大学へのオンライン留学の案内があり、内容は約2週間英語で経済学を学習するというものでした。私はこの留学を通して中国文化に触れられるのではないかという期待から、オンライン留学への参加を即決しました。
授業では現代中国の経済やビジネスモデルの作成について学べました。その中で中国の学生と日中の文化について話す機会がありました。しかし私は英語への気後れがあったことで積極的に交流できず悔しさが残りました。
大学生交流事業との出会い
留学の心残りが残る中、学内の国際交流センターを通りがかった私は「大学生交流事業」のチラシが目に入り、思わず手に取っていました。「中国の大学生と一緒に日中交流イベントを開催する」という文章に惹かれたのです。それからはそのチラシを見せて「面白そうやん」と言ってくれた友人と共に、企画作成に取り掛かりました。
集まったメンバーは全員理系という事もあり、私たちが普段大学で学ぶ事に関連した企画を作成することにしました。そしてビジネスモデルの提案を用いて、環境問題に対して協働して解決策を提示するという企画内容になりました。チーム名は中国 China と日本 Japan の 2 か国 からなるチームという意味を込めた、CJ2です。
企画を採用していただいてからも、企画の詳細な内容を決定するため日本側で会議を重ねました。特に、CP(カウンターパート)との顔合わせの際に行うアイスブレイクの確認は入念に行ない、日本文化を紹介しつつ笑い合えて仲が深まるような内容を用意しました。そのような日々を過ごし、CPの皆との交流開始を待ち望んでいました。
中国側との交流開始
交流開始の顔合わせでは交流内容の説明とアイスブレイクを行い、CPの皆は積極的に参加してくれました。楽しんでくれたようで安心した事を覚えています。
そこからは少人数のグループに分かれてビジネスモデルの作成や、イベント準備を行いました。交流内容が環境問題やシェアサイクルのビジネスモデルを作成するという難しいものだったため、CPと意思疎通できるかが一番の心配要素でした。そこで、話している内容をチャットに文字として残す事、会議録を残す事、単語だけでも中国語で伝えられる部分は中国語で言う事を意識しました。
また、ビジネスモデル作成以外に文化交流もしたいという想いから、日中の言語を紹介する交流会、好きなアニメや漫画・映画を紹介しあう交流会、京都府にある二条城を紹介する交流会、さらに日中の食事を実際に食べながら紹介しあう交流会を行いました。
二条城を紹介する交流会は当初、実際に日本人メンバーが二条城に赴き、録画もしくはリアルタイム配信で紹介する事を予定していました。しかし新型コロナの影響で、予定していた紹介方法は諦めることとなりました。そのような状況でも、日中交流センターの方の助言や日本側メンバーでの話し合いにより、YouTubeに投稿されている二条城公式の紹介動画を用いて紹介を行うこととなりました。CPの皆にも楽しんでもらえるように、二条城に関連した日本の歴史や文化をクイズ形式にして紹介しました。
このように今回の交流では新型コロナの影響等によって、当初予定していた方法とは異なる実施形態をとる事が何度かありました。これらの経験から、予定通り行うのが難しい場合はその交流会の目的は何かを考え、その目的達成のために今できる最大限で折り合いをつけ実施する方法を学べました。
何度も交流会の内容などについて悩むことはありましたが、少人数での会議の際にCPと趣味など他愛ない話をする時間は、CJ2というチームを超えて中国の友人を得られたのだと感じる瞬間でした。
イベント当日
約3か月半の交流の成果発表として、イベントでは作成したビジネスモデルの発表、環境問題に関するクイズ、環境にやさしい染め物である草木染めの体験を行いました。ビジネスモデルに関する質疑応答やクイズでは皆が積極的に参加し、草木染めには夢中になって参加していることが画面からしっかりと伝わりました。
草木染の布を中国の伝統の飾りにして見せてくれるなど笑いの溢れる部分と、ビジネスモデルは一生懸命に発表をして聞くという、緩急のついたイベントとなりました。最後に写真を撮る光景を見ていると「このメンバーでやり遂げた」とほっとする想いと、日常としてCPと顔を合わせる機会は少なくなるという寂しさが混ざり、「すぐではないかもしれないが必ず中国の貴州に行く」という決意を新たにしました。
最後に
今回の交流で私はCPの皆の一生懸命に意思を伝えたいという気持ち、日本のことを知りたいという好意に感動しました。それらの日本側に向けられる気持ちが常に感じられたからこそ、その想いにしっかりと答えたい、この交流を楽しんでもらいたいと日本側も本気になって準備を行うことができたと思います。私がこれから国際的な交流をする際には、中国の皆から学んだ好意を表現する方法を活用したいと思います。
当然ですがこの交流企画は一人では決してできないものであり、仲間がいることの大きさを実感しました。CJ2の中国側・日本側メンバーに心から感謝しています。この経験から得た多くの学びを用いて、これからも何かしらの形で日中交流に貢献したいです。
京都産業大学
田丸 倫子
2021年12月16日