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JAPAN FOUNDATION 国際交流基金[心連心]

日本と中国の若者が未来を共に創る

Voice ~参加者の声~ 陳 希(ちん き)さん

交流が理解の橋を架け渡し、コミュニケーションが友情の花を育てる

名前
陳 希 (ちん き)  さん

プロフィール
現在の所属:南京外国語学校 日本語クラス
学年:高校2年生

2023年秋、残暑が終わり、南京の街は彩り豊かな秋の季節を迎えました。私たちのクラスでは初めての日中高校生オンライン交流活動が始まりました。今回のオンライン交流会は合計4つの活動からなり、各回それぞれ1時間行われました。1時間の活動は決められた主題に関する交流の時間と学生自らが設定するテーマについてのリサーチの時間とに分かれていました。自らテーマを設定して調べ、報告するという今回の挑戦に対して多少緊張を感じていましたが、それ以上に交流相手である立命館守山高校の学生への興味と、オンライン交流への期待感が勝っていました。

4回の交流で行われた、決められたトピックスでの会話のやりとりでは、初回、私たちは入念に原稿とパワーポイントを準備して、互いに自分たちや学校について紹介し合いました。リラックスした楽しい雰囲気の中、双方に共通の興味や趣味もいくつか見付かりました。

2回目はちょうど私たちの学校の創立60周年記念日でした。そこで、私たちは、優美な書画・写真・彫刻展や楽しく迫力ある歌と踊りの出し物、苦難に見舞われながらも輝かしい校史といった我が校の豊富で多彩な祝賀活動を立命館守山高校の仲間に紹介しました。一方、立命館守山高校の学生たちは、様々なスポーツ試合や文化祭など彼らのバラエティ豊かな学園生活を紹介してくれましたので、日本の充実した学園生活についてより一層理解を深めることができました。

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学生たちが活発に発言

3回目は、まず私たちが立命館守山高校の仲間に簡単な中国語の呼称の用語とあいさつの言葉を教えました。中国語では様々な立場の人たちをどのように呼ぶのか、先生や先輩、同級生に対して、見知らぬ人や知り合いに対して、それぞれどのように呼び掛けるのかについて、私たちが教師になり、パワーポイントを用いて一つひとつ詳しく説明しました。立命館守山高校の仲間は興味津々にまねをして練習してくれました。その後、立命館守山高校の仲間が、彼らが訪れた「南京町」についてプレゼンテーションを行いました。中国の伝統的な風格のある建物やおいしい中華の軽食である小籠包、鴨血粉絲湯(アヒルの血を固めた具と春雨のスープ)といった慣れ親しんだ中国的な要素を目にするうちに、親近感と同時に誇らしげな気持ちが沸いてきました。

交流する過程でいまも一番生き生きと記憶に残っていることは、沈黙を打ち破るべく私が言葉と拙いジェスチャーで交流の第一歩を踏み出そうと試みたときのことです。
初回の交流では、双方の代表が発言を終えた後、私たちは予定通りブレイクアウトルームに分かれて、トピックスについてさらに踏み込んだ交流を行いました。
グループのメンバーたちが互いにあいさつを終えると、突然、皆静かになってしまいました。遠い海の向こうの見知らぬ人を前にして、誰もが少し緊張してしまい、日頃は活発で外向的な私ですらやや気後れしました。しばらく経っても皆引き続きモニターの中で微笑むだけで、沈黙を破ろうとする人はいません。私はどこから勇気がわいたのか、率先して口を開き、自己紹介を始めました。

どうやら私の発言で不思議なスイッチが入ったようで、誰もが一気に気が緩み、一人ずつ自己紹介をしました。その後はすんなりとテーマの討論に入りました。チャットルームは賑やかな談笑の声であふれました。

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中国語を教える

後になって振り返ると、突然勇気がわいてきたことに自分でも少し驚いています。まだ慣れていない言語を用いて率先して口を開き、その言語のネイティブと会話したのです。言葉が流ちょうではなく、冷や汗をかきながら意思を伝えるために適切な言葉を探す場面もありましたが、先生の指導や友達のサポート、そして立命館守山高校の仲間たちの優しさのお陰で、交流の楽しさを感じました。言語や国籍の違いを気にする必要も、共通の話題の少なさを心配する必要もありませんでした。自信と勇気が交流には必須なのです。その後の交流の中でも、優れた言語能力が交流の効率と精度を高めるということをますます感じるようになりました。今後の日本語の授業では、もっと積極的に発言して、日本語を大胆に用いて自分の意見を伝え、自分の日本語レベルを高めていきます。

最終回の交流では、各グループが各自のテーマの研究結果を発表しました。初回の交流から各グループは最終的に発表するテーマとプレゼンテーション形式について話し合ってきました。長いこと話し合い、たくさんの内容の中からようやく主題を選定するグループもありましたが、私たちのグループは最初からすぐに、まるで申し合わせたかのように「グルメ」という主題を思い付きました。俗に「民は食を以て天と為す」と言いますが、中国の人たちも、日本の人たちも、皆、食べることが大事であるようです。

中国と日本の青少年のインターネット生活や青少年が好きなアイドル、新年のグルメといったように、各グループのテーマはそれぞれ異なっていました。両国の正月のグルメを自分たちで作ったり、調査アンケートを設計してデータ分析を行ったり、資料を検索して情報をまとめたりするなど、表現形式もおのおの独自のやり方でした。私たちのグループが選んだテーマは、中日両国の中華料理と日本料理の違いを比較することでした。日本の学生に詳しく中国の小籠包を紹介するために、私たちは材料やスープの作り方、調理法など色々な面から細かく説明しました。私や友達は資料を集めて紹介動画を作成する過程で、小さい頃から食べて来た小籠包にこんなにも多くのこだわりがあったのかという感慨を覚えずにはいられませんでした。交流によって、私たちは自分たちが日頃至る所で目にしているものへの理解を新たし、それらについて新しい視点から観察して考え、探究する中で中華文化の美しさを改めて体験することができました。

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グループのテーマ報告

他のグループによるインターネット利用や新年のグルメといったテーマに関する研究報告を聞いて、私は中国と日本との間に多くの共通点があることに気付きました。青少年たちには似たようなインターネットの利用習慣があり、ネット詐欺問題に同じく直面していますし、様々な新年のグルメには新年に寄せる美しい思いが同じように込められています。交流によって、私たちはお互いの理解を深め、文化における共通点を探り、いかにして手を携えて共通の難題に取り組むかについて考えることができました。

勇気を奮い立たせて発言することが私の異文化交流での第一歩となりました。でも、私は決してここで踏みとどまることはしません。より大きな勇気、より強い熱意、そしてより美しい期待を抱きつつ、中日友好の道を前進し続けていきたいと思います。

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お別れのあいさつ

2023年12月
南京外国語学校
陳 希

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