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JAPAN FOUNDATION 国際交流基金[心連心]

日本と中国の若者が未来を共に創る

参加者インタビュー

日中21世紀交流事業に参加された方々に交流を振り返っていただきました

Vol.003 張 詩雨さん

名前
張 詩雨ちょう  しう さん

プロフィール
遼寧省出身。心連心の第一期生(2006.9~2007.7)として立命館高等学校に留学。現在は、京都大学工学部(2009年4月~)に在学中。2013年4月より京都大学大学院に進学予定。

京都大学近くにある平安神宮。京都の寺院へは高校生の留学中に多く訪れた。

今まで学んだ日本の文化を肌で感じてみたい。

高校生のときに心連心プログラムのことを知り、今まで学んできた日本という国を肌で感じてみたいと思い留学を決意しました。四国にある高知県の高校に入学したのですが、日本独特の上下関係や厳しい規律の寮生活に最初は戸惑いました。ただ高校には100名近く中国人がいたので、寂しいという気持ちはなかったのですね。逆に、これでは中国にいるのとあまり変わらないんじゃないか?日本の文化をより身近に感じられる環境で学びたいと思うようになりました。心連心のスタッフに相談すると、京都の一般家庭でのホームステイを薦めてくれたんです。
転校した立命館高校では、毎週、留学生向けに有名な寺院を巡る授業がありました。特に三千院、清水寺、三十三間堂、建仁寺などは、とてもお庭が綺麗で印象に残っていますね。あとプライベートでも休みを利用して、名古屋や伊勢神宮などへ電車で行ったり、ホストファミリーと一緒に城之崎温泉や北海道にも旅行しました。
実際には、ホストファミリーの家にいたのは7ヶ月間でした。ただ、この短い期間に本当に色々なことを学びました。一番印象に残っているのは、相手の立場に立って物事を考えること。その上で、自分の意見をしっかりと相手に伝えることの大切さを教えてくれたんです。

将来は金融業に携わり中国、アジアの人々の生活を向上させたいです。

伝統ある日本の土木工学を学ぶために京都大学へ

日本を去るとき、ホストファミリーのお母さんが「また日本に来てね」と言ってくれました。日本の大学を目指すようになったのも、日本にホストファミリーという家族がいるということが一番大きかったですね。現在、京都大学工学部 地球工学科 土木工学コースに通っています。実は、地球工学科は日本の大学の中でも京都大学しかなく、特に土木工学は京都大学の創設(1897年)と同時に設立されたと伝統のある学問であることも魅力でした。また日本における自然災害や耐震性の強い建築物を建てる技術というのを学んでみたかったというのもあります。そういった技術を学び、中国に伝えたいという夢も持っていたのです。
授業の一環として、建設現場で二週間だけ働く実習がありました。その現場は、京都の蹴上にある浄水場でした。これまでの貯水量を倍にする計画で、新しい貯水池のコンクリートの基礎を作る作業を体験したんです。現場には、女性が私しかいなくて、やはり男性の職場だなっと少し感じました(笑)。ただ、実際に働いてみることで見えてくる
ものあり、自分の将来を考える上でも良い経験になったと思いますね。

将来何をして働くか?見極める為に大学院へ。

働くという意味では、その他アルバイトも色々と経験しました。家庭教師、うどん屋さん、ホテルの宴会での配膳係など。ホテルの宴会のバイトでは、日本の結婚披露宴というものを初めてみました。面白かったのは、キャンドルサービスです。出席者それぞれのテーブルに立てられているキャンドルに新郎新婦が一つ一つ火を灯して歩くというものです。中国でも、披露宴の出席者が口にタバコをくわえ、それに新郎がマッチで火をつけるという似た風習がありましたが、日本のキャンドルサービスは非常に綺麗で華やかに感じました。また、披露宴の途中で二人のこれまでの人生をまとめたVTRが流れることにも驚きでした。最後見終わった時、アルバイト中ではあったのですが感動して思わず泣いてしまったんです(笑)。
現在は、かなり勉強の方が忙しくなってアルバイトはやっていません。特に忙しくなったのは今年北京で行われた国際的な学会の為でした。研修室の先生が発表した論文に私もお手伝いしたのですがとっても良い経験になっています。実は、来年2013年4月からは、京都大学の大学院に進学を決めました。現在の研修室で取り組んできるテーマも非常に興味があるので、研修者という道も魅力を感じています。正直、働くということにはまだ迷いはあります。まずこの2年間で自分自身が将来やりたいことをしっかりと見極めたいですね。

【取材を終えて】
当日は大学の授業で忙しい中、取材に応じて頂いたのですが、こちらの質問を聞き、 じっくり考えながら丁寧に受け答えする姿がとても印象的でした。 日本でのホストファミリーとの生活で身に付けた習慣なのかもしれないですね。 今でも月に一度ぐらいは、ホストファミリーにお会いするようです。 まだまだ悩みも多い年齢だと思いますので、張さんの大きな心の支えに なっているんでしょうね。

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