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日本と中国の若者が未来を共に創る

Voice ~参加者の声~ 土肥 由乃さん

コロナ禍での架け橋に

名前
土肥 由乃   どひ      ゆきの  さん

プロフィール
生まれ年:1999年
出身地:和歌山県
現在の所属:和歌山大学 経済学部(2018年入学)
大学3年時の2020年11月に山東師範大学「済南ふれあいの場」との大学生交流事業に参加、オンラインでの交流を実施した。

初海外で中国に

 大学1年生の夏、学内で交流派遣プログラムの募集があり、中国の文化に興味を持っていた私は、中国に行ってみたい!中国の友人ができる!と思い参加を決めました。
 中国で見た風景、受けた授業、食事など、全ての体験が私にとって特別なものになったのは、渡航中付き添ってくれた現地の学生との交流があったからこそだと思います。英語を話すことに自信のなかった私でしたが、彼らが会話しやすいようにおもいやりを持って接してくれたことで、勇気を持って言葉を交わせました。例えば、写真を撮るとき日本では「チーズ!」中国では「茄子(チエズ)!」と言うことなどを知り、そんな何気ない会話を通して、
お互いが今まで知らなかったことを共有することができた『わくわく』を今でも忘れられません。

写真写真を拡大初めて行った中国で、東北大学の学生たちと

 後に、そこで出会った友人たちが和歌山大学まで会いに来てくれました。一緒に和食を食べ、観光地を紹介し、和歌山を知ってもらえるような時間を過ごしました。そして帰り際に、日本が特別な国になったと言ってもらったことで、交流がお互いの国を繋ぐきっかけになると実感しました。それから、国際交流がますます楽しくなり、交流できる場があれば参加していました。

 ある日、大学の国際交流課に『大学生交流事業』のポスターが掲示されているのを見かけました。これなら、中国の学生と一緒に、自分たちの手で日中交流の場を作り出せる!と思い、応募を決意しました。和歌山大学生ならではの ”和歌山を知ってもらおう” という目標のもと令和紀州藩を結成し、会議の日々を送りました。想いが届き、採用して頂いてからは、『済南ふれあいの場』でカウンターパートの皆と一緒にイベントができるのを待ち望んでいました。

写真写真を拡大令和紀州藩のメンバー

延期になった中国派遣

 新型コロナウイルスの影響で渡航の目途が立たなくなり、いつもポジティブなメンバー全員が、戸惑いを隠しきれませんでした。そんなときに、カウンターパートから応援メッセージ動画が届きました。直接会えない状況でも、動画というコンテンツを通して届けてもらった想いに心を動かされ、それが再び私たちのモチベーションとなりました。そして、直接会えなくても画面を通して出会える『オンラインイベント』を企画するきっかけになりました。

 このイベントを行うと決めてからは、楽しみな反面、オンラインでの交流の方法や、文化を伝え合うためにはどのようにすれば良いかと悩むこともありました。そんな中で意識していたことは、一方的にならずお互いに納得のいくものを完成させるということでした。直接会えないことから言語や国境の壁を大きく感じてしまい、最初は手探り状態でのやり取りで、イベントに対して上手く話し合うことができていませんでした。しかし、WeChatで交わした日常会話や、顔を見て行った合同会議でのアイスブレイクを通して徐々にお互いを知ることができたので、イベントについても話し合えるようになりました。コミュニケーションを取り合い、お互いを理解することで、今までになかった視点からオンラインというイベント会場を最大限に活用していく方法を考えることができました。

写真写真を拡大カウンターパートから届いた応援メッセージ動画のサムネイル

オンラインで『去 和歌山吧!~いこら!わかやま~』

 当初感じていた不安などなく、『日中の地域の魅力を詰め込んだオリジナルの ~済南‐和歌山 双六~』と『双六で知った地域について皆でディスカッションし、作り上げた ~旅行プラン作成・商品開発~』というイベントが完成し、オンラインで日中交流の場を作り出すことができました。
 また、「オンラインで仲良くなれた!」「日本や和歌山について遊びながら学ぶことができた!」「和歌山に行きたい!紹介したい!」など、積極的に活動に参加してくれた上に、嬉しい声もたくさん聞けてやりきることが出来て本当に良かったです。イベントの最後に、皆が「ありがとう!!また会いましょう!!」と言いながら、手を振ってくれているのを見ると、涙が溢れそうでした。海外に行くことができるようになったら、真っ先に令和紀州藩で済南に会いに行こうね!と誓った瞬間でもありました。

写真写真を拡大山東師範大学の学生と交流イベントでの集合写真

 イベントを通してできた友人とは、今でも交流が続いています。
WeChatでは中国で流行っている面白い動画が「見てね!」と送られてきたり、中国料理や日本料理を写真とともに「作りました!」などと送り合ったりしています。さらには、ビデオ電話で定期的に日本語・中国語の勉強会も始めました。このような形で交流を続けられていてとても嬉しく思います。

写真写真を拡大「済南―和歌山 双六」マスの一例

最後に

 まず、国際交流において相互理解の大切さを学びました。最初はぎこちないコミュニケーションをとっていた私たちも、お互いを知っていくうちに理解し合え、国境を越えて心を通わせることができました。些細なことでも相手に興味を持ち、知ろうと歩み寄ることで、相互理解そして国際交流に繋がることを実感しました。
 そして何より、最後までやり遂げる大切さを学びました。想像以上の友情を築くことができたのは、コロナウイルスなど言い訳にせず、皆が決して諦めなかったからだと思います。結成当初に企画していた現地でのイベントができなくなっても、コロナ禍でもきっとできることがあるはず!と再び目標に向かい、最善策を考えてきたからこそ、オンラインイベントという特別な交流を実現することができました。

写真写真を拡大グループに分かれて、ディスカッションの様子

 コロナウイルスの影響で今までの生活が一変し、私自身も望んでいた中国留学が中止になるなど、暗いニュースが目立っていました。しかし、苦しいと思う状況でも、必ずどこかに新たなあり方、新たな可能性があるということを実感しました。
 今後も、ここで得られた友情や経験を大切にし、行動を起こしていきたいです。

2021年3月11日
和歌山大学
土肥 由乃

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