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Voice ~参加者の声~ 黄 悦安さん

日本語を勉強して…

名前
黄 悦安コウ エツアン  さん

プロフィール
1997年に生まれ、四川省出身。
2015年9月、電子科技大学日本語学科に入学。
2017年3月、電子科技大学で行われた大学生交流事業に参加。同年、成都ふれあいの場のボランティアになる。
2018年4月から2019年3月、岐阜大学へ交換留学。
2019年6月に大学卒業後、同年9月、電子科技大学外国語学部の大学院に進学。
現在、成都ふれあいの場のボランティア5年目。

日本語といえば…アニメの歌!

多くの中国人が同じだと思いますが、子供の頃はよくテレビで日本のアニメを見ていました。『カードキャプターさくら』『名探偵コナン』『テニスの王子様』など、本編は吹き替え版でしたが、オープニングとエンディングの歌は日本語のままでした。中でも私は『カードキャプターさくら』のオープニング曲が大好きで、耳で覚えたその歌を歌うのが毎日の楽しみでした。当時は日本語も分からず聞いたままを歌っているつもりでしたが、今になってみると歌詞を間違えて覚えていたので、今でもその間違えたままの歌で歌ってしまいます。

初めて日本人と日本語会話

思いもよらず大学で日本語を専攻することになりました。最初の1年間は新しいことを学べる気分に浸り、楽しく日本語を勉強しました。2年目には、日本語で人とつながりたいと思うようになりました。きっかけになったのは、100人の日本人大学生が私の所属する大学を訪問してくれたことでした。2016年9月、大学が、100人の日本人大学生を招待することになったのです。皆1年しか日本語を勉強していないので、同級生のほとんどが緊張していましたし私もそうでした。しかし、同じ場所にいて、話しをしていたら、そんなに緊張しなくても大丈夫だと思いました。使う言語が違っても、同じ大学生なので、話題や趣味、そして中国と日本の相違点など、話し合えることがたくさんあります。勉強してきた日本語は、その時私と相手をつなげてくれる橋になり、間違えてもそれを気にせず楽しく話すことができましたし、自分は日本語で話しができるのだという自信もつきました。そのような経緯もあり、翌年の日中大学生交流事業のボランティアを募集していると聞いた時にはぜひやりたいと思いすぐに応募しました。

日中大学生交流事業――ふれあいの場との出会い

どんな人達だろうと楽しみに待っていた関東インカレチームである「inyQ」の皆さんが成都にいらっしゃいました。前回のような100人の大学生招待会と違い、今回の目的は「交流」だけでなく「合作」(協力し合うこと)も大事なので、きちんと意見交換ができるのかという不安もありました。しかし、「inyQ」の皆さんは優しくちゃんと話を聞いてくれたり、また、頼りになる先輩がフォローしてくれたりを繰り返しているうちに、そのような不安はだんだんなくなりました。日本語を使って日本人大学生とイベントの準備、日本語劇のリハーサル、日本語が分からない中国の大学生の通訳などもして、本当に忙しくて大変でしたが、その1週間はとても充実して楽しかったです。この大学生交流事業をきっかけに、「成都ふれあいの場」というものを初めて知り、ボランティアに志願したのです。それからは、「ふれあいの場」に日本語コーナーの設置や日本の生地を使った手づくり教室を開くなど、自分なりに日中文化交流に力を注ぎました。

写真写真を拡大 「inyQ」メンバーと成都市内観光@パンダ基地

2017年ふれあいの場学生代表訪日研修

「今年の訪日研修に成都ふれあいの場の代表として参加してみないか」と先生からお話しがあった時は、自分でいいのかと驚いたもののとても嬉しかったです。初めての海外旅行、それも行先が日本なので興奮しました。研修では中国の他の都市にあるふれあいの場の学生代表や国際交流基金の先生たちを前にして発表などをするのでとても緊張しました。出発前に、PPTの資料を作って発表用の台本を書いたり、色々な準備をしたにもかかわらず、皆さんを前にして自分の発表が始まると極度の緊張で涙が溢れてしまい、今振り返っても本当に恥ずかしくなります。

しかし他のふれあいの場の学生代表の発表を聞いて、各地の皆さんもそれぞれのこだわりと心づかいがあるということが分かりとても勉強になりましたし、研修に参加している先生方や過去に大学生交流事業に参加した日本人学生の皆さんのおかげで、楽しく有意義な研修になりました。中でも嬉しかったことは、成都で一緒に交流事業をしたカウンターパートである「inyQ」の皆さんも研修に参加してくれて再会できたことです。

写真写真を拡大 2017年ふれあいの場学生代表訪日研修

岐阜大学へ留学

2018年に、私は岐阜大学へ交換留学することになりました。それまで、自分は中国で中国の人に日本のことを伝えてきたのですが、日本留学中は日本で日本の方に中国のことを伝えたいと考えました。そして、岐阜大学に留学後、そのチャンスがあったのです。ある日、岐阜市国際交流協会が主催する外国文化理解講座の講師募集のポスターを見つけてすぐ担当者に連絡をしたところ、半年間、岐阜市国際交流協会で「Enjoy!!中国・四川省」というテーマで講座を開くことになりました。参加してくださった方々に、四川省の光景を写真で紹介し、四川省のお茶や、手づくりの冷吃兔(油で焼いたウサギ料理)という四川伝統のお料理を試食してもらいました。材料の入手には国際交流協会の方が尽力くださいましたし、参加者の方たちもとても喜んでくださり、自分がやっていることは意味があるのだと実感しました。

写真写真を拡大 「Enjoy!!中国・四川省」で用意したもの:菊茶、お菓子と冷吃兔 写真写真を拡大 岐阜市国際交流協会 外国文化理解講座「Enjoy!!中国・四川省」

現在の状況

新型コロナウイルス感染拡大防止の理由から交流イベントがほとんどできなくなり、ふれあいの場が少し寂しくなっています。私自身ができることとして、ふれあいの場のボランティア以外に、大学近くの小学校で週に1回日本文化理解講座を行って小学3年生に日本語や日本の文化を教えています。国境を越えての対面での交流が難しい今だからこそ、これまで試して来なかったような新しい形の中日文化交流を実現させたいという想いを持って、これからも自分なりに力を尽くしたいと思います。

写真写真を拡大 成都市内の小学校で日本文化理解講座

2021年4月19日
電子科技大学
黄悦安

成都ふれあいの場 大学生交流事業

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