イベントレポート
[レポート]広州ふれあいの場:『私が見つけた「夏の風物詩」』投稿コンクール
2022年8月21日(日)
広州ふれあいの場は2022年8月21日に、『私が見つけた「夏の風物詩」』をテーマにした作文と写真の投稿コンクールを開催した。公式アカウントを通じて広報し、投稿締め切りまでに17作品の応募があった。投稿者は中山大学、暨南大学、北京理工大学(珠海キャンパス)、広州軟件学院、広州南方学院、広州培正学院などの大学生であった。
作品は投稿者たちが日常生活の体験に基づいて、自分にとっての最も代表的な夏の風物詩を選んで創作されたものである。その中に、夏の風景を代表する「蓮華」や「海」、「残照」「夜空」もあれば、「スイカ」や「氷粉」、「亀のゼリー」のような夏といえばすぐ思い浮かべる食べ物もあった。それから、中国の独特な食べ物の「炒冰」や「キノコ鍋」、「マーラーザリガニ」を自分の見つけた「夏の風物詩」として取り上げ、それにまつわる思い出を書かれた作品もあった。作品を通して、いきいきとした夏、楽しい夏、美味しい夏、ロマンチックな夏、家族で過ごした夏が読者の前に再現されたのである。
今回の審査委員は中山大学日本語学科の徐愛紅先生、李栄先生、野呂田萌子先生と中村佳先生が務めた。先生方が各自で採点して、全員の合計点に基づいて入賞作品と順位を決めた。作品はどれも個性があって素敵な作品であったため、先生方の意向により、同じ点数の作品に同じ賞を授与することにした。入賞結果は下記の通りに、一等賞が5名、二等賞が5名、三等賞が4名だった。
一等賞:羅宁さん、夏冬さん、孫雯雯さん、聂梓晴さん、李欣遥さん
二等賞:李欣巍さん、洪宁欣さん、吴昊さん、廖曼琳さん、楊航厳さん
三等賞:邹雨鹏さん、钟甘蕊さん、徐子衿さん、张莉唯さん
『私が見つけた「夏の風物詩」』投稿コンクールは日本語を勉強している学生たちに日本語の作文能力を鍛える機会を与えてくれたのみならず、夏の思い出を振り返るとともに改めて日本語の魅力を感じることができた。
広州ふれあいの場は今後も多様なイベントを企画し、日本語学習者と日本文化愛好家の皆さんが触れ合うプラットフォームを築いていきたい。
入賞作品は以下に展示する。
【一等賞の作品】 |
「夏の海」 |
1.罗宁さん |
「波はジェットコースター、素敵な風を集めながら」と歌を聞きながら夏の行方を探していると、知らず知らず海辺まで辿り着いた。子供たちがはしゃいでいる声が、波が寄せたり引いたりして立てた波音と心地よくハモっている。あぁ、もう夏だ。 【審査委員の講評】 |
「炒冰」 |
2.夏冬さん |
夏に欠かせないのは、広州の「炒冰」です。 【審査委員の講評】 |
「夜空」 |
3.孙雯雯さん |
わたしにとって、夏の中で一番大好きなのは夜の空。月が明るくて星がまぶしく、夜の風が暖かい。 【審査委員の講評】 |
「亀のゼリー」 |
4.聂梓晴さん |
夏の風物詩といえば、最初に思い出すのは亀のゼリーです。複数の漢方薬を用いて作られたので、少し苦味があります。そのかわりに、解熱とデトックスなどの効能もあり、猛暑日が多い広東の夏にぴったりの食べ物です。 【審査委員の講評】 |
「蓮華」 |
5.李欣遥さん |
私は子供の頃、蓮池のそばで育てられた。真夏になったら、父と叔父が時々、木製の小舟を出し、小さい私を乗せ、蓮池の中心に水でぶらついた。父がハサミで蓮の花托を摘んて蓮の実を食べさせてくれたのだ。蓮の花に囲まれた記憶が薄くなっていくのだが、毎年の夏に見た景色が幻のように思い浮かんでくるのだ。私にとっては、蓮華は夏に欠かせない風物詩なのだ。 【審査委員の講評】 |
【二等賞の作品】 |
「彩雲の南のキノコ」 |
1.李欣巍さん |
故郷の雲南省では、夏といえば、菌(きのこ)を思い浮かびます。地理的条件が独特なために、夏になったら、インド洋からのモンスーンが温かい水蒸気を運んできて、このような環境では菌が生えやすくなるそうです。それで、夏に菌を食べる風習が生まれたのです。 【審査委員の講評】 |
「薄茜色の残照」 |
2.洪宁欣さん |
夏の夕方の雰囲気は一年の中で一番堪らなく好き 【審査委員の講評】 |
「海」 |
3.吴昊さん |
夏と言えば海、海と言えばたそがれ。久し振りに海辺に行ってきたが、夏はやはり海だな。涼しい風に包まれて、自然の美しさを満喫した私はとても幸せだった。 【審査委員の講評】 |
「蓮の花」 |
4.廖曼琳さん |
蓮の花を見つけると「今年も暑い夏がやって来るな」と感じます。暑い陽射しに負けず元気に花を咲かせ、爽やかな彩りを与えてくれます。その美しさに癒されませんか。 【審査委員の講評】 |
「スイカ」 |
5.杨航严さん |
夏といえば、真っ先に思いつくものはやはりスイカです。暑い夏、冷たいスイカはまるで深緑の縞模様の服を着ている女の子のようにみずみずしく美しいです。スイカを手に取ってその冷たさで体の熱を半分以上取り除いてくれたようです。スイカは私の大好きな夏の果物です。 【评委点评】 |
【三等賞の作品】 |
「夏の午後」 |
1. 邹雨鹏さん |
夏の午後は、日光が朝より更に強くなり、風も全然吹いておらず、空気もお風呂の湯気のように蒸し暑い。戸外でちょっと体を動かすだけで、汗が額からぼたぼたと流れてくる。このような暑さは多分、夏が人間と戦う武器なのであろう。 【審査委員の講評】 |
「スイカ」 |
2. 钟甘蕊さん |
暑い日差しが照り付ける日々が続き、スイカが甘くなっている。 【審査委員の講評】 |
「マーラーザリガニ」 |
3. 徐子衿さん |
夏に欠かせないのは、マーラーザリガニ(辛いザリガニ)だと思います。ザリガニの旬は夏なので、市場に赤くて新鮮なザリガニが売られています。ザリガニの背わたを取り除いて唐辛子ソースを入れて炒めると美味しいのです。両手でザリガニを剥いて食べます。 【審査委員の講評】 |
「氷粉(ビンフェン)」 |
4. 张莉唯さん |
氷粉はオオセンナリの種を揉むことによって作られたゼリー状のデザートだ。トッピングによってはたくさんの味があり、私の故郷の四川の名物なんだ。夏になると、街角でいつも氷粉が売られている。暑い日に爽かでひんやりした氷粉を一杯食べるのは、何よりうれしいことだ。 【審査委員の講評】 |