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Voice ~参加者の声~ 竹野功さん

ヨウヨウと過ごした日々

縁あって韓博陽君(心連心第九期生)をしばらく受け入れることになりました。韓君は中国山西省太原市から鹿児島県内の高校に留学している高校生で、普段は学校の寮住まいなのですが、長期の休みの間は原則として寮が閉まるらしく、春休みとゴールデンウィークの二度、休暇中の寄宿先として当家に来てくれたのでした。

写真を拡大牛のお世話

我が家は新米脱サラ農家の二人と二女一男の五人家族です。以前から、いわゆる農家民泊として修学旅行生の受け入れをさせてもらっていますが、二週間、十日間の受け入れは初めてです。毎日をどう過ごそうかと不安でしたが、夫婦共に能天気な性格なため、結局は「どうにかなるさー」の精神で最後まで乗りきったような気がします。

写真を拡大家族写真

初対面の韓君は少し緊張の面持ちです。最初のハードルを越えるつもりで、お互いの呼び名を相談すると、中国式の「◯◯ちゃん」だと、ヨウヨウ(ヤンヤン)と呼ぶそうなので、滞在中はヨウヨウと呼ばせてもらうことになりました。当家の二歳児も呼びやすそうで、あっという間にヨウヨウ兄ちゃんは我が家の一員になりました。

写真を拡大そばトウミ風選

中国といえば、人民服を着た毛沢東主席を思い出す浅学な私達に、ヨウヨウがパソコンで見せてくれた故郷の写真は、出来立てのビルが延々と広がる大都会で、大変驚きました。また話を聞くうちに判明したのがヨウヨウがリンゴマークの会社の開発者の1人だということ。わからないことは何でもスマホで検索する様子を見て、(私達も海外在住経験があるのですが)異文化コミュニケーションの手段の大進歩を実感しました。ただちょっとした齟齬はあるもので、ブルース・リーを知らなかったヨウヨウが検索後「わかりました!」と見せてくれたスマホの検索画面ではブルース・スプリングスティーンが熱唱していたのには大笑いでした。

写真を拡大ホームステイ中の湧水町郷土芸能を見物(お隣は涌水町の米満町長)

ヨウヨウには我が家の農作業から子守りまでよく手伝ってもらいました。野菜の収穫や植え付け、ソバの選別や牛の世話など、おそらく都会育ちのヨウヨウには初めての経験ばかりだったことでしょう。汚れる仕事も多かったのですが、少しも嫌がらずにやってくれて、本当に助かりました。昼間の手伝いで疲れていたと思いますが、夜も4歳と2歳の子供たちが群がるので、なかなかゆっくり出来なかったんじゃ・・・と反省しています。でもヨウヨウには兄弟がいないので、少しは楽しんでくれたかな、とも思います。

写真を拡大子守り

ヨウヨウと過ごした日々は、私達にとっても新しい気付きや発見が多くて、とても楽しい時間でした。ヨウヨウの日本語がとても上手だったので、会話にほとんど無理がなかったことが大きかったのですが、彼個人の知識が豊富で、好奇心が旺盛なために、上っ面の話でなく、実りのある話をすることが出来たのだと思います。日本と中国、国家としては意見が異なることも多いのですが、人として付き合えば分かり合うことも容易だと思います。我が家の、ほんのささやかなおもてなしが、素晴らしい若者の糧となれば、こんなに嬉しいことはありません。

写真を拡大菜の花畑

2015年5月28日 竹野家一同

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